カシミヤニットのカスタムオーダー UTO

made-in-japan日本製へのこだわり


国内(業界)の職人

日本の繊維産業は「風前の灯」

かつて1970年代の日の繊維産業は、アメリカと激しい貿易摩擦を起こすぐらいに盛況で日本の重要な産業でした。
その後の高度成長で日本の産業が強くなり生活が向上するにつれて人件費も高くなり、人手を必要とする繊維産業、特に縫製やニッターなどの工場は安い人件費を求めて中国・東南アジアなど発展途上国に移転してしまいました。

その海外移転したアパレル製品が日本に押し寄せ、今では日本で流通する国産製品は2%台になってしまい、日本の繊維業界は壊滅の状況です。



アパレルの支配下に置かれる「工場」

日本の多くの工場に求められていることは「大量生産・低コスト」という「効率の良い」モノづくりです。

工場は、アパレルの指示の下で製品作りにだけ専念する「アパレルの完全下請け」のような状況に置かれています。
狭いスペースで、お客様ではなくアパレルの為に「頻繁に素材が変わり、効率よく、正確に、安く、早く」製品を製造すること」に重きを置いた製造(ビジネス)です。

値段や納期など、工場間で都合よく競争させられ、結果的に日本では「職人の低賃金」が問題になっています。
低賃金の為、若い人の雇用は減少し年齢層が高くなってしまい、さらに正社員も雇えずパートの割合が高いのが現状でした。





UTOのモノづくり

日本の職人を守る、唯一無二のビジネスモデルを追求

かつて繊維業界盛況の時代を支えた日本の職人も高齢になりました。
その中で、日本の若い職人の生活を守り、先人の高度な技術を受け継ぎ次代へ繋げることが我々の使命と思っています。
その為には製造に携わる人達の生活が成り立たなければ「継続」は不可能です。

国内生産は「低価格・大量生産」には向いていないと思います。
それは生活費が途上国の何倍もする為に同じように何倍かの収入でなければ生活ができないからです。

繊維産業は労働集約型産業で、必然的に低賃金になりやすい産業でもあります。
産業革命が起きた時代、英国をはじめ工業化の初期段階は労働集約型の繊維産業が主でした。
その繊維産業はヨーロッパ、アメリカ、日本、アジアへと移って工業発展の礎になり、その経験や利益をもとだんだんに装置産業に置き換わっていきましたが、歴史的に産業の移り変わりはそうなるのが常です。

途上国は人が多くて貧しいために、多くの人を雇うことが出来る労働集約型の大量生産産業はありがたい産業だと思います。だからこそ大量生産の分野は途上国に任せて、日本のモノづくりは「少人数の付加価値型の製造」にすべきと考えます。

UTOは「カシミヤ」素材に絞り込み、岩手県北上市にある当社の職人たちが“カシミヤ”“ニット”に特化し技術や知識を重ね、大量生産に追われることもなくオーダーメイドで一枚一枚丁寧に作っています。
カシミヤ製品は決して安くはないので、品質に何よりこだわり維持することをブランド全体で努めています。
さらに「高額商品のカシミヤニットを、成形編みで、サイズカスタムオーダーで一枚一枚手間をかけ作る」、世界でも類を見ないモノづくりに特化し、途上国の労働者と戦わない「先進国型のビジネスモデル」を構築しました。



価値に対する適切な価格

競争がますます激化するグローバル市場では、必然的に価格の下落圧力に直面します。
そして、カシミヤ製品は決して安くはありません。

そのような中で安易な価格競争に巻き込まれないようする為に、「カシミヤニットのカスタムオーダー」という独自のビジネスモデルに加えて、「流通を簡素化」させ中間コストをできる限りなくした「自社で一貫して企画・製造・販売」の販売チャネルを構築してきました。

今後も日本のブランドとして「品質に何よりこだわり、付加価値を高め、品質に重きを置いた適正価格で販売する」ことに努めて参ります。




Made in Japan

「Made in Japan」と言うとき、私たちは自分たちの仕事に誇りを持っています。
日本人の良いところは「真面目」で「丁寧」で「真心を込める」ところだと思います。

四十年以上この業界にいて、日本はもちろん、世界的なブランド製品を作っているヨーロッパの工場やアジアなど多くの工場を訪れましたが、日本人のモノづくりは細やかで商品の扱いも含め丁寧に感じました。
「美しく、完璧に作り上げること」に満足感を感じる、日本人特有の美意識なのだと思います。

また日本には、贈り物をする時に「ただ物を贈る」のではなく、「相手のことを考えながら物を包み一言添えて心を込めてモノを贈る」文化があります。それはモノづくりでも同じで、心を織り交ぜて作るのが日本のモノづくりの良さです。

一枚一枚大切に真心を込めて、真面目に、粘り強く、細やかで丁寧なモノづくりは、日本人の持つ独特の人間性で、世界に誇れることだと思います。
特に工場のある東北の地は、冬は雪が一面を覆う土地柄もあり勤勉で真面目として知られており、世界的な伝統工芸品が多く生まれています。

「神は細部に宿る」という言葉がありますが、1枚1枚真摯に真心を込めて作ったモノに初めて「モノの美しさ」は宿ると信じています。

私たちは、国境を越えて「日本のクラフトマンシップ」を大切に、高品質のカシミヤ製品を提供することに情熱を持って真摯に取り組み、世界中のお客様に喜んでいただけることを願っています。