sdgs-sustainabilityUTOの考えるSDGs・サスティナブルなものづくり
UTOは20年以上前に「カシミヤニットのカスタムオーダーメイド」という当時世界でも類を見ないサービスを作り上げることを目標に掲げ、自分たちの目標と想いが実現できるよう大きなリスクを背負い「日本で自社工場を持つ」ことを決断しました。
「年に2回新デザインが生まれ、ショー・展示会を行い多額の費用をかけ大規模なPRを行い、大量生産・大量消費のサイクルが当たり前」であったファッション業界の中で、その価値観に反して、「品質」を第一に手間をかけ受注生産方式で、その上オートクチュールのようにカスタムメイドで「1人の為の1枚をつくる」非効率なモノづくりを続けてきました。
そして、多くの紆余曲折がありましたが「UTOのモノづくり」に共感してくださったクライアント企業やお客様に支えられたからこそ、30年経った今海外でも評価をいただきこのサービスが軌道に乗るまでに築き上げることができました。
ベーシックな”1枚”のカシミヤニットに対して「どのように品質を上げ、またどういうサービスがあればお客様により喜んでいただけるだろうか。」と常に本社と職人で話し合い考え、非効率的であっても何より「1枚1枚、1人1人の希望に真摯に向き合うこと」を大切に取り組んできたこと。
それが、今のお客様の「服に求める価値観」と重なり、また「サステナビリティ」というグローバルな共通言語とも繋がりサービスの確立に繋がったのだと感じています。
「アパレル業界」は現在は、国際機関(国連貿易開発会議)から「世界第2位の環境汚染産業」と指摘されており、世界的に積極的な取り組みが行われている産業です。
▼世界の問題
・大量生産、大量消費、大量廃棄
- 過去15年間で生産は約2倍
- 廃棄物による環境汚染、長いサプライチェーンによる環境負荷
・労働環境問題:劣悪な労働環境、低賃金
▼日本国内の問題
・1991年バブル期と比較し「供給量の倍増・購入単価の下落」
- 市場規模:15兆円から10兆円に減少する一方、供給量が20億点から40億点に倍増。「購入単価/輸入単価」は6割前後の水準に下落
・アパレル生産拠点の海外移転による、
- 国内の衣料品自給率(国産)が2%
- アパレル工場の職人の低賃金、それに伴う高齢化、技術継承不足
このようなアパレル業界に限らず各業界で「持続可能性」が強く求められる現代は、UTOが30年かけて作り上げた「身も心も込められた、1枚を大切にするモノづくり」を、この社会に暮らすあらゆる人たちと手を取り合い、「日本の良きモノづくり文化」の1つになるようより大きなチャレンジへと進めるタイミングだと考えています。
多くのクライアント企業・お客様に支えられサービス・ブランドを築くことができたからこそ、課題の多い「アパレル業界」だけでなく「日本のモノづくり文化発展・地域貢献」へのチャレンジも今後も続けてまいります。
カシミヤニット製品を通した、「無駄のない・持続可能性」の追求
1992年の創業当時から、天然から供給される素材が好きで「天然素材」でモノづくりをしてきました。自然と共存し「原料を生産している人」への手助けにもなれば、という思いもありました。以来、そのような「希少な資源を大事に使い、糸を無駄にしたくない」という思いから「成形ニット」「オーダーメイド」にもこだわり、カシミヤニットを作り続けています。
日本の職人と技術を守る・日本製へのこだわり
アパレルメーカーの発展途上国への生産拠点移転に伴い、日本の工場は「低賃金、高齢化、技術継承」「日本で流通する国産製品は2%台」と多くの問題を抱え、業界は壊滅の状況です。
その中で価格競争に巻き込まれないよう、独自のサービス「ニットのカスタムオーダー」と、流通を簡素化し「自社で一貫して企画・製造・販売」の販売チャネルを構築。日本の若い職人の生活を守り、先人の高度な技術を次代へ繋げることが使命と思っています。
東日本大震災被災者支援の取り組み
UTOは、2011年10月に山梨県から岩手県北上市に工場を移転しました。当時、岩手も含めた東北地方は東日本大震災にみまわれた半年後の混乱状態。新参者の私たちも企業市民として何かできることはないか、と始めた寄付活動は、学校・書店・美術館の方々とも一緒に活動し「12年」になりました。
「もったいない」から生まれた、色々色の天使のストール
ニットを製造するうえでどうしても出てしまう「残糸」。特に最高品質のカシミヤ糸を使用するUTOでは、貴重で高価なカシミヤ糸も廃棄せず活用できたら、と「色々色の天使のストール」というエコカシミヤ製品を開発しました。
カシミヤのアップサイクル
お客様から「使い古してもう着ないUTOのカシミヤがあるけど、断捨離する気にならないからリサイクルできないか?」という連絡がきっかけにスタートした「カシミヤのアップサイクル」。
実行にあたり一番難しいのは「セーターを200枚以上集めること」ですが、「捨てられないというお客様が他にもいらっしゃるだろう、時間がかかってもいいから実行しよう。」と決めました。