【カシミヤニットを長く着てほしい】カシミヤニットのお洗濯
カシミヤはクリーニング代がかかるから敬遠するとおっしゃる人が案外多いですね。また、カシミヤは絶対にクリーニングと思い込んでいる人も多いようです。軽くてふわふわのカシミヤニットは繊細で高価だし、失敗して縮んだりするのが心配だからクリーニングに出すのは解らないでもありません。ですが、直接お会いした人には機会があるごとにご自分での手洗いをお勧めしています。手洗いと言っても洗濯機の手洗いモードで大丈夫です。これから説明するように洗ってあげると絶対に縮むことはありません。大事なカシミヤニットだからこそ自分で洗ってあげてください。
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ご自分で手洗いの勧め
カシミヤはクリーニング代がかかるから敬遠するとおっしゃる人が案外多いですね。また、カシミヤは絶対にクリーニングと思い込んでいる人も多いようです。
軽くてふわふわのカシミヤニットは繊細で高価だし、失敗して縮んだりするのが心配だからクリーニングに出すのは解らないでもありません。
直接お会いした人には機会があるごとにご自分での手洗いをお勧めしています。手洗いと言っても洗濯機の手洗いモードで大丈夫です。
これから説明するように洗ってあげると絶対に縮むことはありません。大事なカシミヤニットだからこそ自分で洗ってあげてください。
ポイントは五つ
① 水で洗う
② 普通のウール洗い洗剤と柔軟剤、もしくはご自分のシャンプーとリンス
③ 1~2枚をネットに入れて、短時間の押し洗いや洗濯機の手洗いモードで
④ 脱水機で脱水
⑤ 元のサイズに整えて平干し
1 水で洗う
『水の温度が高いと縮みやすい、摩擦や洗う時間が長いと縮みやすく毛羽が立つ』と覚えておいてください。
よく『ぬるま湯で』という人がいますが、ぬるま湯という感覚的な温度は個人差があるのでぬるま湯はやめた方が良いです。水にしてください。
本来、カシミヤ山羊の住む処は、冬は極寒、夏は酷暑の気候条件の厳しい所です。その厳しい気候から自分の身を守るためにあのうぶ毛を神様が与えてくれたものです。自然ではぬるい雨なんか降りません。冷たい雨が降るのです。それに耐えるために生えてきたうぶ毛ですから。洗濯の温度は室温の水で十分ですし、洗剤さえ溶ければ少々冷たい水でもかまいません。
2 ウール洗いの洗剤・柔軟剤やシャンプー・リンスで
一般に販売されているウール洗いの洗剤や柔軟剤で結構です。出来たら香りなどご自分のお気に入りのシャンプー・リンスがお勧めです。
3 摩擦を少なく
カシミヤは繊維が繊細いですから摩擦に気をつけてください。他の沢山の洗濯物と一緒に洗うと洗濯物同士の摩擦で毛羽立ちますので、一~二枚を水の中で泳がせるように、短時間で優しく洗ってください。
短時間の洗いや手洗いモードで洗濯する程度で普通の汚れは取れるはずです。ニット糸は織物の糸に比べると撚りはあまいし、編地も織物の打ち込みに比べたら比較にならないくらい疎ですので汚れも取れやすいんです。
部分的な目立つ汚れは指でもみ洗いしますが、それでも取れない汚れは汚れと言うより染みになっていると思ってください。たんぱく質が変化してシミ化したのは洗濯の範囲を超えていますので、専門家に頼むしかありません。
4 脱水機で脱水
濯いだあとの絞りが大事です。キチンとたたんで脱水機で完全に水気を取ってください。
『脱水機!?』と驚く人が多いんですが、そう、お勧めは脱水機です!
勇気を出して脱水機でまわしてください。
脱水中のニットは、遠心力でドラムに張り付いて水気が飛ばされているのでニットのダメージが少ないのです。また、水気を取ってしまうと型崩れしにくいです。
5 形を整えて平ら干し
洗い上りでは縮んではいなくて小さくまとまっているので元のサイズに整えてください。床などにバスタオルなどを引いて乾かします。半日ぐらいでひっくり返して位置を変えてください。そうしないとセーターの下はかなり水気がありますよ。
風通しのあるほうが乾きやすいです。もちろん少々陽が当たってもかまいません。半絞りの水気の多い状態で吊るして干すと、水分が下のほうに溜まってその重みで伸びてしまい、乾くとその伸びた状態が定着します。不味い乾かし方の典型です。
絶対に避けて頂きたいのが熱風乾燥機です。乾燥機に入れると熱風でフエルト現象を起こして子供服みたいに縮んでしまいます。
これはウールの特有でフエルトの作り方がこの方法ですから縮まないはずがありません。
ポイント、さえ守ればカシミヤニットはごく普通の手洗い(洗濯機の手洗いモード)をすれば何の問題も起きません。
もしこの方法で我がUTOのカシミヤニットが縮んだら「新しいのをお作りするか代金をお返しします」ので、是非ご自分で洗ってあげて下さい。