成形セーター作りは原料を無駄にしない
地球温暖化防止の為に限りある資源を大切にしようと世界中が取り組んでいますね。
UTOがセーターに誇りを持つひとつに、『セーターはエコロジー』というのがあります。(ちょっとおおげさかな?)
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UTOのセーターはエコロジー
地球温暖化防止の為に限りある資源を大切にしようと世界中が取り組んでいますね。
UTOがセーターに誇りを持つひとつに、『セーターはエコロジー』というのがあります。(ちょっとおおげさかな?)
服は織られた生地を、身頃・袖・衿・ポケットなどパターン(型紙)に合わせてカットして縫い合わせることで形を作っていきますね。その時どうしてもカットロスが出てしまいます。もちろん布帛はカットロスが出るからどうのこうのというわけでは決してありません。あくまでもセーターはカットロスなどをあまり出さない資源を有効利用するという些細なセーターの自慢話です。
編みの話でお話したように、成形のセーターは身頃や袖・衿などをパターンどおりに編んでいきます。そのパーツをリンキングすることで縫い合わせて一枚のセーターを作ります。
それらのパーツは広がる所は増やし目で、狭くなる所は減らし目で編むという技術を使いながら編上げていきますので糸を切ることはありません。ですから一つのパーツは一本の糸で繋がっているんです。
原材料が高価だった私の子供の頃は母が古くなったセーターをほどいて編みなおすことをやっていました。ほどいた糸をカセにして湯通しして編み皺を伸ばして糸に戻すんです。
それを毛糸玉にする為に小学校の低学年の頃、『前に習い』のように手を前に伸ばして毛糸を持たされたものです。すぐ手が疲れて手が下がってくるので『ほら手が下がってきたよ、ちゃんと持ってないと作ってあげないよ、前に~ならい!』とハッパをかけられながら新しいセーターを作ってもらえる嬉しさと拷問のように手がだるかったのをよく憶えています。
『もったいないばあさん』という絵本が売れているそうです。物を大事にすること、節約することを教える為にお母さんが読み聞かせて一大ブームになっているそうです。とってもいいことだと思いますよね。でも待てよ・・・。もったいないのを知らないの?もったいないという言葉は死語になっているんですか?寂しいというよりとんでもないです!
そんなことじゃ今に罰があたるゾ!と思います。エェツ!バチってなんですか?
やれやれです。
UTOのセーターの基本は成形ですから、糸は基本的にはずーッと繋がっていますので、カットロスは出ていません。岩手工場でもきれいなまるを作ることに神経を使っています。
ただ一部丸首のネックはきれいな丸を作りたいときこの部分だけはカットにすることがあります。
ニットでも布帛のように四角い編地をパターンに沿ってカットして縫製するのがカットソーです。
そうですカットして縫うのでカットソー。これは同じニットでもカットしたりしない成形に対して言われるものなんです。
セーターがエコだからといって何が何でもカットしないと主張してるわけでは決してありません。勿論ファッションですから表現が第一、デザインとして必要と有ればカシミアのカットソーも吝かでは有りません。ただ、安く大量に作るために手間省きのためにカットソーにしてしまっている製品のなんと多いこと。それでも安い糸なら仕方ないと思いますが、かなり高級な素材の糸でもカットソーにしてしまっているのを見ると悲しくなってきます。
さすがに普通の糸の値段の十倍近くもするカシミアのカットソーは殆ど見ませんが・・・。