リンキングという縫製の話 (2)

ニットの編地を網に例えて考えると理解しやすいと思います。そんな編地を縫い合わせるにはミシンと言うわけにはいきませんね。
そこで登場するのがリンキングです。
ニットの編地を網に例えて考えると理解しやすいと思います。そんな編地を縫い合わせるにはミシンと言うわけにはいきませんね。
そこで登場するのがリンキングです。
一見普通のカシミヤの指なし手袋。 白い処は試編みの捨て糸。
太い赤い糸がカシミヤ100%の糸。 ほそ~い3本の糸がストレッチ糸(伸び縮みする合成繊維)。
この糸を内側に編み込むことで、 カシミヤが伸びっぱなしになることを防止します。
耐光堅牢度を測るには繊維を紫外線に連続して20時間当てて変色具合を図る方法が一般的です。
色物の変色や退色はそんなに差は出にくいようですが、白はかなり差が出るので素人目にも差がはっきり判ります。
服を製造したり販売するときに製造者、販売者として責任を持たなければならないことに堅牢度があります。主な堅牢度は3種類。耐光堅牢度、染色堅牢度、摩擦堅牢度です。
いろんな色をランダムに繋げて作ったストールです。作る方が楽しみながら配色したもので、世の中に2枚とないものです。
軽くて柔らかいカシミヤストールで製品としては全く遜色はありませんが、糸継ぎが途中に出るのが気になりますので、プロパーではなく訳あり品として販売することにしました。
現品限りですので、早いもの勝ちです!
『UTOは一枚一枚丁寧な物作りが真情というのは分かるけど、素材のカシミヤのグレードはどの程度なの?』と聞かれることがあります。説明しにくいんですが、業界の人には次のように説明するとほとんどの人に合点して頂けます。
CCMI、(カシミヤ&キャメルヘア・マニュファクチャラーズ・インスティチュート)という高級な糸を紡績している世界的な協会があります。20社にも満たない数ですが錚々たるメンバーです。
2000年頃、繊研新聞で常務取締役をされていた阿部さんに聞いた話ですが、イタリアのスーツを作っているメーカーで、試着だけを仕事にしている人の話です。
毎日毎日スーツに袖を通して出来上がったスーツの着心地をチェックするんだそうです。
突然ですが『莫大小』をご存知ですか?
これをメリヤスと読める人は業界人か、私より年配の方ではないでしょうか?
80年頃、私がニット屋になりたてのころです。
ニットからちょっと離れますが、人は見た目で判断するというファッションの重要性の話です。
よく『人は外見じゃないよ、中身だよ』といいますね。私もそう思います。
そうは言っても初対面の時はどうでしょう?相手を知っているはずがありませんから外見で想像するしかありませんね。
地球温暖化防止の為に限りある資源を大切にしようと世界中が取り組んでいますね。
UTOがセーターに誇りを持つひとつに、『セーターはエコロジー』というのがあります。(ちょっとおおげさかな?)
ニットの話からは外れますが、70年代の旅行屋の頃、海外特にヨーロッパを旅している時に格式のあるホテルやレストランなどで夕食を摂ることがよくありました。
「今夜のディナーはネクタイ着用できちんとした服装でお願いします」と案内すると「エェーッ面倒くさいなぁー」とよく敬遠されました。特に男性に多いんですね。
今のところ、UTOがもっとも評価して戴いているのが、『多くの色の中から、貴方の希望のサイズで作ります』というセミオーダーメイド的なもの作りじゃないでしょうか?
ニットはお直しは出来ないのが常識ですね。
『天使のセーター、天使のストール』は、手に取ったほとんどの人が『やわらかい!』『気持ちいい!』といってくれる我がUTO自慢のシリーズです。
カシミヤならでは、いや、カシミヤでもここまでの風合いの商品はそんなにあるもんじゃないと自負しています。
ニットには『成形』と『カット』があります、その違いはなんでしょう?
一枚のニットセーターは通常、前身ごろ、後ろ身ごろ、右袖、左袖、衿の5つのパーツから出来ています。
ニットの代表的な素材、あのふんわりと軽くて柔らかい肌触りのカシミヤ製品は手に取っただけで、他の素材との違いが解りますね。当社に置いてあるカシミヤの糸をご覧になって『へぇー、これがカシミヤの糸ですかぁ』といいながら手にとってみると『エェッ、これがあのカシミヤですかぁ?!?!』と、殆どの方がビックリされます。
大変お手軽な値段のカシミヤを見ることがあります。
『同じカシミヤなのにどうしてそんなに値段が違うの?』と度々聞かれます。素朴な疑問だと思います。
カシミヤは彩度の強い色でも繊細な素材が持つ発色性の良さでカバーしてくれるので独特の柔らかさを持った色です。やっぱりカシミヤは凄いなと妙なところで感心してしまいます。
セーターをはじめニットの良さの最たるものは着心地の良さですね。
それはニットの特徴であるループによる編地の伸び縮みにあります。
織物は縦糸に横糸を織り込んでいくので横にも縦にも伸びませんね。この織地の組織によって服は安定して形が崩れないんですよね。
セーターは通常、前身頃、後身頃、右袖、左袖と衿の5つのパーツを縫い合わせることで作られますが、このパーツを作るためのニット版型紙が『回数書』といわれるもので設計図のようなものです。
ニットには沢山の編み地がありますが、基本は何と言っても天竺(てんじく)編みとゴム編みです。
業界では天竺といっていますが、天竺とはひら編みのことです。
タートルネックなどのかぶりのセーターを着るとき、この小さな丸いネックの開きが布帛だったら絶対に頭が入らないだろうなあと思うことはありませんか?
長年カシミヤを生業にしていて、実は心の奥で危惧していることがありました。 それは、『ひょっとしたらカシミヤは大事なうぶ毛を人間から強制的に獲られて、人間の犠牲になっているのではないか?』ということです。
UTO岩手工場では3台のコンピュータ制御の最新鋭編み機が活躍していますが、この編み機は今世の中に出回っているニットの柄のほとんどを編むことが出来る優れものです。
今回はゲージの話です。もちろん物差しや鉄道軌道のゲージの話ではありません。
このニットゲージを理解しているととっても便利です。
ワタに撚りをかけると糸になる。これが、紡ぐということになります。1gのワタを26メートルに紡ぐ、これが26番単糸です。(1/26と書きます)理論的には理解できますが、これを実際に人の手で紡ぐ人がいるのには驚きです
カシミヤの収穫は毎年春5月ごろ。カシミヤの毛が冬毛から夏毛に生え換わる頃に熊手のようなもの(もちろん先は尖っていません)で梳き採ります。冬毛はそのままにしていると自然に抜け落ちてしまいます。その前に人間が頂くんです。
半砂漠を超えて山を超えて内モンゴル自治区・阿拉善(アラシャン)までカシミヤ(カシミア)に会いに行った時の記録です。
繊維の染め方には3種類があります。「わた染め」「糸染め」「製品染め」です。ウールの宝石といわれるカシミヤは、わた染めです。わた染めは、上流の工程で染めるので「トップ染め」とも呼ばれます。糸を紡ぐに前に、まずワタの時点で染めるのです。先に染めるほど、失敗や在庫のリスクが高くなります。
牧民の杜さんご夫婦にカシミヤ(カシミア)の採毛するところを見せていただきました。
採毛・収穫されたカシミヤ(カシミア)が現地のプロたちの手によって世界最高峰のふわふわのカシミヤ素材になるまでの行程を体験いたしました。