カシミヤニットのカスタムオーダー UTO

SHIMAは日本が世界に誇るニット編み機

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UTO岩手工場では3台のコンピュータ制御の最新鋭編み機が活躍していますが、この編み機は今世の中に出回っているニットの柄のほとんどを編むことが出来る優れものです。

目次

    編み機の話

    UTO岩手工場では3台のコンピュータ制御の最新鋭編み機が活躍していますが、この編み機は今世の中に出回っているニットの柄のほとんどを編むことが出来る優れものです。
    人間の手で編めないものは無いといわれますが、複雑で細かい透かしや移しの柄や編地などの難しい柄をいとも簡単に編んでしまい、まるで魔法を見ているようです。
    この凄い編み機を作っているのが島精機製作所という日本の機械メーカーです。本社は和歌山にあります。

    島製機は一般の消費者にはあまり知られていないと思いますが、実はニットの製造業界ではシマ『SHIMA』は世界の常識なんです。
    皆さんもよくご存知のシャネルやアルマーニ(UTOも入って欲しい)などのスーパーブランドのニットもほとんどがシマの機械で編まれたものだと思います。それぐらい名実共に世界から評価され活躍しています。

    最新の編み機.jpg

    良いものは高い!

    先進国ではニットを手動で編む技術者がほとんどいなくなってしまった現在、業界が成立するのも、ニットアパレルのUTOが製造に参入することが出来たのもシマの編み機があったからです。
    このシマを導入するきっかけは2001年だったと思いますが、今のUTOのビジネスモデルである『お客様の希望の色で、ピッタリのサイズで、短期間で』作って欲しいと日本中のニッター(工場)さんにお願いして回り、かたっぱしから断られていたときでした。

    業界の展示会で、コンピューター制御でスイスイ編んでいる機械を見たとき、『この機械があれば今考えているビジネスモデルが実現できるぞ!』とかなりの衝撃を受けました。値段を聞いたら一台1000万円ぐらい。それにその編み機を動かす為のシステムが500万円、・・・・。
    1000万円という金額自体は高いけど、こんな性能を持った機械の1000万円は安い!と思いましたし、この凄い機械が100台ぐらい並んで稼動している様子が頭に浮かんできました。『是非欲しい!絶対にこの機械を買うぞー!』と心に決めました。

    SHIMA 編み機.jpg

    その時熱心に説明していただいたのが今は退職された取締役営業部長の後藤さんでした。編み機を購入する可能性があるのはニットの製造メーカーというのが常識で、弱小のニットアパレルが将来、買いたいといっても普通は本気にも相手にもしないでしょうが、後藤部長さん自ら熱心にいろんなことを説明してくれました。以来、UTOのニット便りをお送りして近況報告をしていました。

    それから約6年、東京支店長の雑賀さんに引き継がれたのを切っ掛けに、ついにUTOが編み機を買うことになったとき、後藤さんが「良かったですね、とうとう実現しましたねぇ」と言ってくれましたが内心一番驚いておられたのも後藤さんだと思います。なにせ最初は夢物語のような話から始まりましたから。会社の存続もママならない状態で、将来工場を持つとか、その工場には編み機が100台並んでいるとか夢のような話をするんだから興ざめもいいところ、非現実的だったかも知れませんが、私には花が咲き乱れる環境の工場に100台のシマの最新の編み機が稼動する姿がはっきり見えていました。

    今もそれに向かっています。ゼロから1台目、2台目、3台目になり、あの夢の話から現実の世界に入ってきましたが、100台にはまだまだです。でも私にはこれからのほうがずっと現実の世界に見えます。

    イタリアのニッターのオヤジの自慢はSHIMAだった

    2010年頃、あるイタリアのニッターさんとお話しする機会がありました。
    自社の製品に良さをとうとうと語ってくれたんですが、その中で、『なにせ当社の製品は日本のSHIMAの機械で編んでいるから』と実に自慢気に話していたので、『ウチだってSHIMAだ!』といったら、目が点になり、オー!といいながら握手してきました。

    日本でこんな素晴らしい機械を作っているんですから、企画も物づくりも世界に誇れる会社が出なきゃ。

    わたしが書いています

    株式会社ユーティーオー宇土 寿和(うと としかず)

    宇土 寿和

    UTOの、宇土です。
    「ライブラリー」の記事で、ウールの宝石と言われるカシミヤニットの魅力や特徴を知っていただき、より多くカシミヤ製品を手にとっていただく機会が増えれば幸いです。