donation東日本大震災被災者支援の取り組み
3・11「東北復興支援」を続けて“13年”
被災地・岩手県のカシミヤ職人による
モノづくりを通じた支援活動
企業市民として、長い支援を
UTOは、2011年10月に山梨から岩手に工場を移転しました。
当時東北地方は東日本大震災にみまわれた半年後の混乱状態で、比較的被害の少なかった北上市には沿岸部から600名近い方が避難して来られて厳しい生活を余儀なくされていました。
新参者の私たちも企業市民として何かできることはないかとみんなで考えました。
ボランティアなどで現地に赴くのは難しいので少額であっても寄付でお役に立ちたいという結論になりました。
その寄付もできるだけ長期間続けることができるように、本業のカシミヤの売上の一部を寄付することにしました。
最初はカシミヤのハンドウォーマーやマフラーなどの小物が売れるごとに「100円を寄付」していましたが、UTOカシミヤが北上市のふるさと納税の返礼品になったのを機に、一件の寄付を頂くごとに当社が100円を寄付することにしました。
ふるさと納税の寄付を頂くごとに寄付をすると、支援が一年限りで終わるのでなく持続性があり先細りではなく、ふるさと納税が続く限りずっと支援ができるし、頑張ると年々寄付額も増えると考えたからです。
東日本大震災の被災者で北上に避難されている方たちが東北の寒い冬を越すための灯油代の足しになればという思いで、北上市を通して寄附を始めたのが最初です。
カシミヤ「天使の栞」が寄付に貢献
ニットをつくる過程で生まれる“残糸”をいかし、カシミヤブランドならではのものをと考えて、世界一柔らかい「カシミヤで編んだ天使の栞」を開発しました。
この「天使の栞」は、当社製品で使用している最高等級のカシミヤ原料100%糸を使って、当社の職人が本体と房の色の組み合わせを考えながら1枚1枚“手作り”しています。
1枚500円ほどのコストがかかりますが、より多くの寄附を集めより多くの方へUTOを知っていただく方法として、300円で販売し、100円を寄付させて頂いています。
「天使の栞」は実店舗/ネット販売だけでなく、美術館、本屋、旅館でも販売していただいております。もちろん売上枚数分の寄附をさせていただいています。
おひとりで数十枚を購入して下さる方が時々いらっしゃいます。差支えなければ「何に使って頂いているのか」をお聞きしたら、「趣旨に賛同して、卒業記念として生徒たちにひとりひとり渡します」と仰る中学校の先生だったり、お友達にプレゼントとして購入してくださったり、団体で購入していただいたということもありました。
また、「香川県・坂出小学校」「三重県・暁高校」の生徒さんたちが学校行事の一環として50枚以上を販売し、5千円の寄附を送ってきてくれました。
社会的なモノづくりを通じた、新しい地元支援
北上市に毎年寄附をお届けし2024年で13回目、合計すると430万円を超えました。
その寄附は、北上市市役所を通じて「灯油購入券」と「防災ラジオ」が北上市へ避難された方々へ無料で配布されました。
被災者の方より直接、「当時、寒かった冬を温かく過ごすことができるようになり、また知らない土地へ避難して“孤独”と“不安”の気持ちが強かった時に“防災ラジオ”を通じて周りの声が聞こえるようになり、とても安心した気持ちで日々が過ごせるようになってとても感謝しております」と嬉しい感謝の便を頂いたこともあります。お役に立てて光栄です。
「東日本大震災からの復興」に繋がるソーシャルプロダクツとして、
一般社団法人ソーシャルプロダクツ普及推進協会より「2022年 ソーシャルプロダクツ賞」を受賞。
「社会に目を向けたモノづくり」を行うことで、一会社の取り組みから社会全体(地域・学校・美術館・本屋)を巻き込んだ取り組みに変わり、より大きな地元支援に繋がっています。
今後も東北岩手の地でモノづくりをする会社として、「社会的なモノづくり」にも目を向けたモノづくり・地元支援を続けていきたいと思っています。