シルクの絹紡糸
シルクの良いとこどりのニットが出来ました
けんぼうしは、絹紡糸と書きます。
グーグルで絹紡糸と検索すると、屑繭、絹糸屑を紡いでつくった糸。あまり上等でない絹織物・縫い糸に使う。紡績絹糸。と出てきます。随分ひどい言われようです。
その昔、シルクが衣類の王様の時代。織物として(シルクニットはまだない時代)絹はまっすぐな糸で織られたすべすべの織物が最上とされた時代に、織物糸に適さない糸を他の用途に使う繊維を絹紡糸にしていろんなものを作っていました。
原料や素材はシルクに限らず用途によって違いが大きく分かれます。
最近はリンゴと言えばフジですね。蜜が種の周りに集まりとっても美味しく生食の評価が高いリンゴです。国光というリンゴがありました。生で食べると酸っぱく生食には人気がないけど、ジャムにするとその酸っぱさが甘さに変わって絶品のジャムができます。このように素材は用途によって評価が変わります。
UTOのシルクの絹紡糸は、酸っぱい国光でリンゴジャムを作っているのと同じで生の果実が甘いか酸っぱいかはあまり関係ないのです。
絹紡糸は繭糸(千五百メートルもあります)を短く切ってワタにしてそのワタをウールや綿と同じように紡績することで空気をたくさん含んだ糸を作ります。その糸は本来のシルクの良さをすべて持って、ふんわり感のある肌ざわり抜群の糸が出来るのです。
もちろん生糸を束ねて糸にしてニットにすることも可能です。以前、シルク糸老舗の長谷川商店さんのシルクの生糸でのニットを試したことがあります。しかし生糸で編んだ、光沢のあるすべすべのシルクニットにはあまり魅力を感じることが出来ませんでした。二年前、長谷川商店さんの展示会でこのシルク絹紡糸に出会いました。まさに長い間探していた糸です。
私たちは、軽く肌触りの柔らかいシックな色合いの絹紡糸ニットを探していたんです。この絹紡糸との出会いで秋冬はカシミヤで春夏はシルクと心が決まりました。
洗濯など水に弱いシルクにウォッシャブル加工を施し、さらにふわふわの起毛加工を足して抜群の肌ざわりの究極のニットを完成させることが出来たと自負しています。
自分のために着るUTOのカシミヤ同様に自分の為に着るUTOシルクをどうぞご愛用ください。