カシミヤニットのカスタムオーダー UTO

cashmereカシミヤへのこだわり

手間と時間をかけなければ収穫できない、カシミヤの原毛。

目次

    セーターに使われるのは「うぶ毛」。

    カシミヤ山羊の毛は2種類に分かれています。ひとつは「ヘアー」と呼ばれる表面を被っている長くてゴワゴワしている剛毛。もうひとつが、ゴワゴワのヘアーの内側にある「うぶ毛」です。このうぶ毛が大変細く、弾力性があり、セーターや服地に使われています。うぶ毛は暑い夏を迎える前に生え変わりますので、5月頃がカシミヤの収穫期となります。

    おとなしく毛を梳かれるカシミヤ

    セーター1枚に2〜3頭分のうぶ毛が必要。

    うぶ毛を収穫するためには、熊手のような櫛で梳き取るしか方法がありませんので、かなりの手間と時間がかかります。梳き採った毛を集めて、砂やゴミ、硬いヘアーなどを取り除きます。その後、細いうぶ毛だけを選り分け、最終的に1頭から採れる量はわずか170グラム前後。セーターを1枚作るのに、2~3頭分のうぶ毛が必要だといわれています。

    カシミヤと梳く道具・杜さんのお手製

    上質カシミヤの価格は、羊毛などの15倍以上にも。

    一口にカシミヤと言っても毛のグレードによってピンからキリまであり、色や長さ、太さなどを考慮して等級に分けられます。もちろん値段もかなりの差があり、高級なカシミヤは羊毛ウールなどの約15倍前後という値段になります。
    最高等級を買うのは、ヨーロッパやアメリカ、そして日本。特に有名ブランドがこれらの等級の原毛を買っていますが、ユーティーオーのカシミヤも、その中に含まれています。

    本当にカシミヤ100%?

    2008年秋のシーズン初め、カシミヤの混率表示誤りがあり新聞やテレビで大騒ぎになりました。カシミヤは普通のウール等に比べて高価な原料なので、ちょっとの混率の違いで大きく原価に影響するので混率をごまかしてひと儲けしようとする輩が後を絶たないのです。なかには「サンプルは本物で現物が届いた時に偽物」という詐欺みたいなこともあるそうですから、チェックは絶対に手を抜けません。

    ユーティーオーは製品のほとんどがカシミヤですから、もし混率問題でカシミヤが販売できなくなったら即倒産です。社員を路頭に迷わせることになってしまうので、絶対に間違いは許されません。そのためにも、混率には神経を使いますが、一番のポイントは絶対に信頼できる人から原料を仕入れることと、甘い話に乗らないことだと確信しています。

    カシミヤの製品ができるまでには、たくさんの人や会社を経由しなければなりません。カシミヤの原毛は日本では獲れないので、紡績会社では輸入の度に自社や公の検査機関で原毛の混率を検査をしています。もちろん輸出する方も途中で異物が入らないように検査をして輸出します。異素材を混ぜることができるとすれば、「綿」の状態の時しか機会がありませんから。原毛の時点での検査が重要です。
    このように厳重に検査しても、原毛を縛っていた縄が切れてその縄の繊維が混入して99.9%などという検査結果が出ることもありますが、意図的以外で1%を超える異物混入ということはあり得ません。不測の事態に備えるために、法律ではカシミヤが97%までは100%の表示を認められていますが、ちゃんとしたルートなら3%もの異物が混入することはまず考えられません。

    混率証明

    ユーティーオーでは、三越さんの日本橋本店で受注会を実施し、カシミヤの最高峰といわれる中国内モンゴルの阿拉善(アラシャン)で獲れたカシミヤ商品を展開させていただきました。その時は、三越商品本部のバイヤーさんと内モンゴルの現地まで行ってカシミヤ牧民の杜さんや紡績会社を訪ね、トレーサビリティを確認しました。それでも、糸が日本に届いた時点で輸入元のから毛検査協会で検査してもらい、証明書をだしてもらうという念のいれようでした。

    「ケケン」と呼ばれる毛製品検査協会は、海外などから輸入された原料や製品が表示通りの製品が消費者に届くように、不当表示を食い止めるための機関です。この検査をやってもらうのにはかなりお金がかかるのですが、自己防衛のためにも、きちんと検査・証明してもらうことが重要なのです。