ニットゲージの話
今回はゲージの話です。もちろん物差しや鉄道軌道のゲージの話ではありません。
このニットゲージを理解しているととっても便利です。
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ゲージが分かるとプロっぽい
今回はゲージの話です。もちろん物差しや鉄道軌道のゲージの話ではありません。
このニットゲージを理解しているととっても便利です。
セーターで、薄手とか厚手などは見た目や手にとった感じで違いがすぐ解りますね。薄手のセーターは細い糸で編目が密に、厚手のセーターは太い糸で疎に編まれています。(当然か??)その薄手とか厚手を数字で表しているがこのゲージで、とっても合理的なんですよ。
UTOのインナータイプのセーターは基本的には12ゲージですが、この12という数字がポイントで、ニットを編み立てる機械の針が1インチ(約2・5センチ)に12本あるという意味です。
ニットは編み機の一本一本の針に糸を引っ掛けることでループ状の編み目を作っていきます。
セーターを見て頂くと分かると思いますが編み目が並んでいますね。12ゲージは約2.5センチ÷12ですからひと目が約2ミリの編み目のセーターということです。
しかし、2ミリの間隔で編まれた編地はループですから縮まろうとしますので、もう少し間隔は狭くなります。この縮まり具合は編む糸や編地の種類によっても大きく変わってきますので2ミリはあくまでも目安です。
例えば45センチのバストのセーターを編むとしましょう。45÷2.5=18インチですね。英国的にはバスト巾18インチのセーターです。
18インチを編むには18×12本=216本。約220本の針が必要になります。(こんなに単純ではないですが)
手編みは編み棒でひと目ひと目編んでいきますが、もし手編みで45センチのバスト巾のセーターを12ゲージで編むとしたら、一列を編むために200回以上も編み棒を動かさなければならないということですね。なにせひと目が約2ミリですから大変です。
5ゲージなら1インチに5本という具合ですからひと目が約5ミリ。45センチを編むに90回ですから12ゲージとは随分違います。
編み棒を使った手編みはだいたい5ゲージぐらいではないでしょうか。
ザックリ編まれた分厚いセーターは暖かくて高級な感じがしますが、プロから見たら細いゲージで編まれたセーターのほうがずっと難しく細かく揃った編地に技術の良し悪しや、糸の均一さなどが顕著に出ます。特に平編みと呼ばれる天竺はきれいに揃った編み目が勝負です。
UTOのセーターの編地のきれいさは自慢であり誇りです。
セーターの編み機は、日本では一般に12ゲージ、10ゲージ、7ゲージ、5ゲージ、3ゲージ機が使われ、1・5ゲージというのまであります。
12ゲージや10ゲージをハイゲージ、7や5ゲージをミドルゲージと呼び、3ゲージより粗いのをローゲージ、人によってはバルキーと呼んでいます。
編み機はゲージの違いが決定的で、12ゲージの機械は12ゲージの編地しか編めません。ですから10ゲージは10ゲージの機械、5ゲージは5ゲージの機械と各ゲージの機械を用意しなければなりません。
このゲージのことを覚えておくと自分のセーターがおおよそは何ゲージかすぐに分かります。
若干の誤差はありますが、皆さんが持っているセーターの編地の山を数えてみてください。『12ゲージのロールネックのセーター』なんて、ゲージが出てくると、『オッツ、知ってるな』、とかっこいいですね。