【世界のニットを作るSHIMA】日本が世界に誇るニット編み機
UTO岩手の工場ではコンピュータ制御の編み機が活躍していますが、この編み機は今世の中に出回っているニットの柄のほとんどを編むことが出来る優れものです。人間の手で編めないものは無いといわれますが、複雑で細かい透かしや移しの柄や編地などの難しい柄をいとも簡単に編んでしまい、まるで魔法を見ているようです。
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日本が世界に誇るニット編み機
UTO岩手の工場ではコンピュータ制御の編み機が活躍していますが、この編み機は今世の中に出回っているニットの柄のほとんどを編むことが出来る優れものです。
人間の手で編めないものは無いといわれますが、複雑で細かい透かしや移しの柄や編地などの難しい柄をいとも簡単に編んでしまい、まるで魔法を見ているようです。
この凄い編み機を作っているのが島精機製作所という日本の機械メーカーです。本社は和歌山にあります。
島精機は一般の消費者にはあまり知られていないと思いますが、実はニットの製造業界でシマ(SHIMA)は世界の常識なんです。
ヨーロッパのスーパーブランドのニットもほとんどがシマの機械で編まれたものだと言っても過言でないと思います。それぐらい名実共に世界から評価され活躍しています。
先進国ではニットを手動で編む技術者がほぼいなくなってしまった現在、業界が成立するのも、ニットアパレルのUTOが製造に参入することが出来たのもシマの編み機があったからです。
このシマを導入するきっかけは二〇〇〇年以前だったと思いますが、現在のUTOビジネスモデルである『お客様の希望の色で、自分のサイズで、短期間で』作って欲しいと日本中のニッター(工場)さんにお願いして回り、ことごとく断られていた頃でした。
業界の展示会で、コンピュータ制御でスイスイ編んでいる機械を見たとき、『この機械があれば今考えているビジネスモデルが実現できるぞ!』とかなりの衝撃を受けました。値段を聞いたら一台一千五百万円以上。それにその編み機を動かす為のシステムが五百万円、・・・・。
一千五百万円という金額自体は高いけど、こんな性能を持った機械の一千五百万円は安い!と思いましたし、この凄い機械が稼動している様子が頭に浮かんできました。『是非欲しい!絶対にこの機械を買うぞー!』と、工場経営の経験もお金もないのに心に決めました。
その後、島精機製作所の雑賀さんとの出会いがあり佐野元山梨工場長との出会いがありUTOが編み機を買うことになりついに工場がスタートしました。夢物語のような話から始まり、会社の存続もママならない貧乏状態で、「将来工場を持つとか、その工場には編み機が百台並んでいる」とか、夢のような話をしていましたから興ざめもいいところだったと思います。非現実的だったかも知れませんが、私には美しい芝生の庭に花が咲き乱れる環境の工場にSHIMAの最新の編み機が稼動する姿がはっきり見えていました。
工場は山梨から岩手に移転しましたが、今もそれに向かっています。