カシミヤニットのカスタムオーダー UTO

【UTOの社会貢献②】ふるさと納税の返礼品で北上市に貢献

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UTOカシミヤは岩手県北上市のふるさと納税の返礼品として好評を頂いています。2014年の秋、北上市商工部の部長さんから「北上市もふるさと納税を始めたのでカシミヤの商品を返礼品として出していただけませんか?」と提案を頂きました。

目次

    製造卸から製造直売への大きな一歩に

     UTOカシミヤは岩手県北上市のふるさと納税の返礼品として好評を頂いています。
     2014年の秋、北上市商工部の部長さんから「北上市もふるさと納税を始めたのでカシミヤの商品を返礼品として出していただけませんか?」と提案を頂きました。

     ふるさと納税は密かに狙っていたので二つ返事で引き受けました。当時は出品が少なくて苦労していたそうで、あまりにもあっさり叶ったので「返礼品として先に商品を購入してくれると」を私が誤解したかもしれないという危惧で、「いやいや、UTОさんのあんなに高額なカシミヤが簡単に売れるはずがないので期待しないでください、北上市にはこんなに良いものがあるんだと自慢したいので、売れる(寄付を頂く)ことは期待しないで協力してください」ということでした。
     元々ふるさと納税は期待できると密かに思っていたので、こちらからお願いに行くつもりにしていましたが、いくらで買い取ってもらえるかが気になっていたのでストレートに、「いくらで買い取っていただけるんですか?7掛けですか?それとも6掛けですか?」と率直に聞きました。そうしたら、「いやいやプロパーですよ!」という返事に正直こちらが驚きました。当時は値入率の低いOEMで苦しんでいたからです。「えっ!プロパーですか?と聞き返してしまいました。

     ふるさと納税は自分が納める地方税の20%以内で、好きな市町村に寄付すると、地方にある産品を返礼品として頂いた寄付額の40パーセント(当時、現在は30パーセントが上限)でプロパー商品を市町村が買い上げてお礼として寄付者にお送りするもので、だから買い上げるときはプロパーなんです!」という話です。
     これは北上市の推薦状付きで全国の皆さんに知って頂ける絶好の機会だと思いました。しかも寄付した分は2千円の手数料はかかるけど翌年の地方税が控除されるという。
     部長さんはあまり期待しないでくださいとおっしゃいましたが、「絶対に可能性がある」と確信しすぐに始めました。

     

    2年目からは毎年2億円前後の寄付を頂く、北上市の名産品に

     2014年の11月にスタートして初年度に2千400万円の寄付を頂きふるさと納税の可能性に会社が沸きました。翌年からしっかり準備対応し約2億円の寄付を頂くことが出来ました。以来毎年2億円前後、2023年までに約17億円を超す寄付を頂き北上市にも感謝されています。
     岩手工場でカシミヤ作り励む職人たちは30歳前後の若者たちで一人を除いて全員が北上市民です。自分たちが作った商品が日本中の人から評価されて感謝され上に、市から感謝されて、自分たちの生活の向上も貢献する。ふるさと納税はUTOにはなくてはならないものです。

     どうしてそんなに寄附が来るの?とふるさと納税をやったことが無い人は不思議でならないようです。カシミヤがもらえる?お米がもらえる?肉やカニが届く。ふるさと納税は返礼品が有名ですが、そもそもふるさと納税とはなんでしょう?

     今、人口が都会に集中し、地方は過疎化が急速に進んでいます。住民税はそこに住む人が納める税金ですから、地方で若い人を育てても都会へ出て行って人がいなくなったら税金が落ちないのが地方税の宿命です。
     私は長崎県の島原出身で、高校まで島原でその後は首都圏ですから、高校まで育ててくれた島原市に地方税を収めたことはありません。
     そこで、総務省が、「都市部に集まり過ぎる住民税を、なんとか地方に移動させたい」という目的で、地方税の「20%」を上限に、納税者の意思で移動させることが出来ることにしたのです。20%を上限にとなっているので80%は住居の自治体に残るはずですが、誤解した人たちが「自分の街の税金が全部出て行く!」と言って一部のメディアや大都市の自治体が言い出して大騒ぎになりました。

     初めの頃のふるさと納税は、寄附を貰ってもお礼状を出すぐらいだったので低迷していました。しかしある自治体が、「思いもよらぬ寄附が来たので、感謝の意を込めて寄附金の一部から当地の名産品を市が買い上げて返礼品として寄附者にお礼を送った」のがブームの始まりです。その後、「ふるさとチョイス」というウェブサイトが始まって一か所で返礼品が見られて、そのままウェブサイトで寄附が出来てカード決済が出来るという利便性で飛躍的に増えました。
     このふるさと納税の可能性をいち早く見抜いた何人かの自治体の職員さんが、何億円という寄附を集めた成功例や、「人口何千人の町に何億円の寄附!」等とメディアが大きく取り上げたことで一気にブレイクしたのです。

     当初北上市の返礼率は寄付の40%前後でしたが、ある自治体は返礼率を80%にして群を抜いた寄附額を集めたり、ある自治体は金券のような商品券を出すという、なりふり構わない手段が、メディアの格好の餌食となりふるさと納税自体の存続が危ぶまれる事態になりました。そこで総務省が、返礼率30%や、高額品や家電製品の返礼の禁止など、基準を決め一段落しました。
     
     UTOにとってふるさと納税の一番のメリットは、今までは卸やOEMなどのBtoBなどが主体で、お店や百貨店を通してしか販売ルートがなかった当社が、直接お客様(最終消費者)へアピールが出来ることです。
    ふるさと納税は自治体と業者がタッグを組んで、自分たちで販売する力をつける登竜門だと思っています。

    わたしが書いています

    株式会社ユーティーオー宇土 寿和(うと としかず)

    宇土 寿和

    UTOの、宇土です。
    「ライブラリー」の記事で、ウールの宝石と言われるカシミヤニットの魅力や特徴を知っていただき、より多くカシミヤ製品を手にとっていただく機会が増えれば幸いです。