カシミヤニットのカスタムオーダー UTO

【カシミヤの『うぶ毛・わた』の話①】採毛(さいもう)

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カシミヤの『わた』は、カシミヤのうぶ毛のことです。カシミヤは太くて硬く長い剛毛に覆われていますが、その剛毛の内側にあの柔らかいうぶ毛が生えています。カシミヤのセーターになるのはこのうぶ毛です。そのうぶ毛の収穫は春5月ごろ。冬毛から夏毛に生え換わるカシミヤのうぶ毛を、熊手のようなもの(もちろん先は尖っていません)で梳き採ります。冬毛は自然に抜け落ちてしまうので落ちる前に人間が頂くのです。

目次

    春は一年の苦労が実る嬉しい収穫のシーズン

     カシミヤの『わた』は、カシミヤのうぶ毛のことです。カシミヤは太くて硬く長い剛毛に覆われていますが、その剛毛の内側にあの柔らかいうぶ毛が生えています。カシミヤのセーターになるのはこのうぶ毛です。そのうぶ毛の収穫は春5月ごろ。冬毛から夏毛に生え換わるカシミヤのうぶ毛を、熊手のようなもの(もちろん先は尖っていません)で梳き採ります。冬毛は自然に抜け落ちてしまうので落ちる前に人間が頂くのです。

     カシミヤは羊のように毛を刈り取ることができません。(最近は一部、刈り取るそうです)一頭の毛を梳くのに一時間ぐらいかかります。素人の私が毛梳きを体験させて頂いた時は五分ぐらいで腕がパンパンになりました。採毛のシーズンの間牧民の皆さんは一日中カシミヤのうぶ毛を梳くのでかなりの重労働です。でも春は牧民の一年の苦労が報われる収穫の喜びの時で、苦にならないと笑顔で話してくださいました。
     苦労して育てるカシミヤですが、一頭から採れる量はわずか一八〇グラム前後で、UTОカシミヤ天使のストールのレギュラーサイズ分ぐらいなんです。

     最近は、ニットや布帛などのファッション素材は化学繊維が大半を占めることになってしまいました。
     カシミヤは牧民の人たちが家畜として愛情いっぱいに飼育放牧し、厳しい冬を越して生え変わる冬のうぶ毛を収穫する農畜産物です。飼育することで毎年収穫が可能ですので国連が提唱する典型的なSDGs(持続可能)の農畜産物と言えます。利用した後に廃棄しても自然に戻るエコロジカルな素材です。

    わたしが書いています

    株式会社ユーティーオー宇土 寿和(うと としかず)

    宇土 寿和

    UTOの、宇土です。
    「ライブラリー」の記事で、ウールの宝石と言われるカシミヤニットの魅力や特徴を知っていただき、より多くカシミヤ製品を手にとっていただく機会が増えれば幸いです。