カシミヤニットのカスタムオーダー UTO

グレイシャーパーク ロッヂ

 旅行屋時代はヨーロッパやアジアの旅が多くアメリカへ行く機会が無かったのでカナディアンロッキーは長年の夢でした。1990年、念願が叶ったアメリカ一周の旅の最後がカナダでした。ソルトレイクシティの空港で車を借りて、イエローストーンを訪れ、その後国境を越えてカナダに入りカルガリー経由でバンフに入りました。
 長年の夢だったバンフスプリングスホテルに泊まり、ホテルのゴルフ場でプレイも出来て、おまけにマリーンレイクでの釣りで50センチオーバーのマスも吊り上げるというビギナーズラックの大満足の時間でした。
 針葉樹のカナダ松とカナディアンロッキー独特の鋭い岩山の中を走る車窓からのアイスフィールドパークウェイは圧倒される光景で、移動というより車窓が観光そのものです。
 今まで経験したヨーロッパアルプスも険しい岩山でした。スイスからイタリアへ抜ける道は、ゴツゴツした黒い岩が迫りくねくねと曲がり通る人を圧倒する迫力の道ですが、そんな中でも岩山の間に緑の牧草や牛など人間の営みが感じられましたが、カナディアンアンロッキーは全く人を寄せ付けない厳
しい美しさで人間はただ眺めるだけの存在です。
 カナディアンロッキーの締めくくりはアサバスカ氷河体験でした。体験というよりも人間を寄せ付けない氷河に降り立ち氷河に触れるだけです。
 雪上車でいざ氷河の上に。何処までも続く白い氷原は曇った空に溶け込んで不気味で怖いくらいです。
 氷河に降り立って、足元の氷の上をかなりのスピードで流れている透明な川にびっくりでした。
 「バンクーバーまで頑張っても良いけど、市内のホテルは高いので田舎の方が安く泊まれるはず」と、予想を立て途中で泊まるところを決めようと言いながらアルバータ州からブリティッシュコロンビア州に入ってロジャー峠に現れたのがこのグレイシャーパークロッヂでした。
 ベストウエスタンのマークだったのでモーテルと思い飛びこんだのですが大正解のホテルでした。
 バンフの高級ホテルには及びませんが日本人の私たちにとってはウッディタイプの立派なリゾートホテルでした。
 夕方にチェックインし早朝に出発ヴァンクーバーに向かいこのホテルを堪能できなかったのが心残りでもう一度訪れたいホテルですが、残念ながら既に閉鎖したようでネットで調べても出てきません。
 30年以上も経つので仕方ないですが、少し寂しい。

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