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オテル リッツ   パリ・フランス

パリのヴァンドーム広場といえば、フランスでというより世界でもっとも高級な場所かも知れません。

宝石のブシェロン、カルチェ、香水のアーペル、美術館を思わせる画廊の数々、そしてオテル リッツ。かの有名な、と言うのが頭につく店ばかりです。

そのヴァンドーム広場の一角に可愛い丸いテントのある建物がリッツです。

控えめな入口に、これがかの有名なリッツか?と思ってしまいます。豪華と言われるホテルが多い超一流ホテルの中では地味なほうではないでしょうか。

1975年、長年の念願が適ってついに泊まれたオテル リッツ。

オテルリッツ.jpg

『なぜリッツがこんなに評価されるんだろう』。最初はぴんとこなかったんですが。だんだん理解ってきたような気がします。

豪華さとか部屋の広さ、いろんな評価のポイントが有りますが、多分一つ一つのポイントでは最高ではないと思います。

豪華さで言ったら、リッツより豪華なホテルはパリの中ではたくさん有ると思います。

ムーリス、ジョルジュ・サンク、パリ・インターコンチネンタル、クリヨンなどのほうがずっと豪華です。これらのホテルは一歩足を踏みいれると「凄い」と簡単の声を上げるほどですが、リッツは豪華ではあっても威圧するような感じは全く有りません。表現が不適各と思いますが、高貴に優しく包み込んでくれる優しさがあります。

セーヌ左岸のサンジェルマンからタクシーでリッツホテルに帰ったときのことです。

「オテル・リッツ シルヴプレ」とカッコつけて言ってみたんですが、運転手さんは無反応なんです。発音が悪くて通じないのかなと思っていると、びっくりした表情で「ヴァンドーム」と聞き返して来るんです。「ウイ、ウイ」と答えると、なんとなく訝し気に走り出します。こっちも「あんな有名なホテル知らないのかなぁ」と不安げでした。何回もバックミラーで見ているのが感じられます。

ホテルに着いて支払っているときに運転手がポロっと言った言葉で疑問が解けました。英語で、「ここへお客さんを運んだのは始めて」。

オテル リッツ 封筒.jpg

世界で最も評価の高いホテルと言っても過言ではないオテルリッツは、亡きダイアナ妃の事件で名前が出てしまいましたが、フランスの財産と言われながらもオーナーは外国人から外国人に渡っているようです。

世界的な金持ちは、世界的なホテルや世界的なサッカーチーム持ちたいと思うのもうなずけます。

それにしても泊まり客が、玄関に帰ってくると、必ず泊り客の名前を必ず覚えて「こんばんわミスター、ウト」と言いながらキーを渡してくれます。

次々と変わる宿泊者の名前と顔を覚えるのは大変と思いますが、やはりプロなんですね。

それに、泊まっていたのは冬でしたが、渡されたキーが程よく暖められているきめの細やかさです。

それでいて、なれないお客を見下すようなそぶりは微塵もなく、卑屈でもない立ち振る舞いはとっても気持ちの良いものです。

一部の人だけでなく広く人気があることの理由ではないでしょうか。   うと

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