カシミヤニットのカスタムオーダー UTO

H イルパラッツオ 博多・福岡

イルパッツオとは『貴人たちの舘』という意味らしい。
1989年にこのイルパラッツオが出来た時、建築関係や旅の雑誌がこぞって掲載し脚光を浴びたホテルです。
建築家のノーベル賞ともいわれるブリッカー賞の建築家アルド・ロッシと内田繁を中心とした日本のインテリアデザイナーたちとのコラボで日本初のデザインホテルという斬新なデザインのホテルの写真を見ていたので、博多に泊まる機会があったら是非泊まってみたいと思っていたホテルです。

ホテルの前に立って見上げると、ホテル正面には窓がなく各階を区切る緑のラインと縦の赤い円柱が際立ち、シンプルでとっても美しい建物です。この赤はトラバーチンというイラン産の大理石だそうです。階段状の石の土台にデーンと四角い縦長のホテルが聳える。その安定感は遺跡のような、お墓のようなモニュメントを連想してしまいます。

Hイルパラッツオ

建物に入ると2フロアー分の高いロビーの天井に低いソファーと机。天井が高く見える演出のようです。直線とシックな色で統一されたロビーは異様に太い柱に石造りの遺跡を思わせるとっても落ち着ける空間です。でも『なんとなく誰もいない時が一番好さそう』と意地悪な感想ですが。

各階の廊下は間接照明で落ち着いたトーンというより僕とってはちょっと暗い。でもその暗さがヨーロッパの雰囲気を出しています。部屋もシックなトーンで統一され、高い天井、低いベッド。明りが透けてスクリーンのように明りと影が広がるランプシェイド。全体に横広がりのデザインはフランク・ロイド・ライドを思い起こさせ、『良いセンスだなぁ』と嬉しくなります。しかし所々に傷やシミが気にかかる。そろそろ再メンテナンスの時期か?
このように、初めてホテルに泊まるときは、頼まれもしないのにミシュランの調査員気取りであっちこっち探検したり粗探しはなかなか楽しいものです。

イルパラッツオ

夕食はもちろんすぐ近くの中洲の屋台へ。ぶらぶらと屋台をのぞきながらの夕涼み気分。透明のビニールの壁を透して料理する様子や談笑するお客の様子がみえ、博多弁が聞こえてきます。お祭りのようで気分が浮き立ちます。
博多の屋台で、博多ラーメンなんてステレオタイプっぽいけど、やっぱり旨かった。

朝、5時半。旅に出ると楽しみの恒例の朝の散歩へ。
ホテルを出たら間違っても右に行ってはいけない。ホテルや内装は素晴らしいのに、場所が悪いんです。昨日ここへ来た時、奥にはラブホテルが多く、『長年思っていたイルパラッツオはひょっとしたら建物を売りにしたラブホテルか?』と勘違いして焦ってしまいました。
ロケーション以外は大満足のホテルでした。  うと

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