1996.1 高原リゾートは蝶の宝庫 マレーシア・キャメロンハイランド
*カシミアおやじのたわごと*
バリ島やプーケット島、ペナン島、セブ島、等々、アジアの海のリゾートが注目されています。近年は素晴らしい施設のリゾートが次々と建てられ、短時間で行けて異文化に触れられる。エスニックな料理にも人気があり、しかも物価も安く手軽ということで人気がありますね。
でも私にとってアジアといえば、猛烈な暑さと湿気、鬱蒼としたジャングル。中学の地理で教わった『熱帯雨林気候』。これが私の連想するアジア感です。
南アジア一帯は都市や耕作地以外はジャングルだらけと思うんですが、いざ熱帯のジャングルを体験したいと思ってもなかなか簡単ではないんですね。「鬱蒼と木々が茂る熱帯のジャングルの中をヒルに血を吸われながら、道なき道を歩くこと丸一日」なんて言っても普通の人にはちょっと無理ですよね。探検家じゃないんですから。
本物の自然の厳しさは分かっているつもりだけど、なんとか熱帯のジャングルを体験してみたい(本音は蝶の採集)、そんな素人の私の好奇心を満足させてくれたのが、マレーシアのキャメロンハイランドでした。
マレーシアの首都クアラルンプールから細長いマレー半島を北へ向かって約二時間半。キャメロンハイランドという避暑地は、主にイギリス人達が開発した高原の高級リゾートとして有名な処なんです。現地滞在の日本人からは、マレーシアの軽井沢と呼ばれているそうです。
熱帯での高原は、平地が熱い分、高原の涼風がとってもさわやかなんです。
我田引水になりますが、蝶を好きな人にとっては、ここマレーシアのキャメロンハイランドは、南米のアマゾン河流域や、台湾の埔里(プーリー)などと共に世界的にも有名な処なんです。今では採集禁止になってしまいましたが、ここにはマレーシアの国蝶のアカエリ・トリバネアゲハというのがいるのです。
この蝶は、羽根を広げると二〇センチもある大型の蝶で、鮮やかなグリーンに黒の縁取り、衿には真っ赤なスカーフをしているんです。こいつがジャングルの上を悠々と滑空している姿を見たら、思わず拍手したくなるほど迫力があります。
その他、希少なネッタイミドリシジミなど、名前をあげたらきりがないほど蝶の種類が多く、世界の蝶マニアの憧れのところなんです。
蝶に興味が無い人でも、ここのジャングルツアーコースはかなり整備されていて、けっこう安全にジャングルを体験できます。
美しい花々に囲まれスコットランドを思わせるホテルで過ごしたり、深い緑と広々としたゴルフ場でのんびりプレイしたり、散歩したり。熱帯の強烈な暑さを忘れさせてくれる、お薦めのリゾートです。
ペナンやシンガポール等と一緒に組み込んだら、面白い旅になると思うんですが。