UTO(株式会社ユーティーオー)

2000.4 驚いた質問 何の為に仕事するの?

* カシミアおやじのたわごと *

 20代の後半の旅行屋の頃、オーストリアでのことです。外国でカルチャーショックを受けた中でも、自分の生き方に大きく影響を受けた経験です。

  同じ年代のオーストリアの文化庁の担当者と仕事をした時のことです。

今日(金曜日)の夕方までに仕事が終わりそうにありません。「もう少し残業するか、明日の土曜日にちょっと出てきて仕事をしてくれないか?」と、言ったら、「君は何の為に仕事をしているの?」と詰問調で聞かれて驚いた経験があります。

  このちょっとしたエピソードは、彼を通してヨーロッパ人の考え方の根底を知るきっかけになりました。

 彼はそれまで、日本人が仕事をし過ぎることに頭に来ていたようです。

 『何の為に、何の目的で日本人はそんなに仕事するんだい?』

 彼が言うには、自分は家族の幸せ=家族みんなで有意義な時間を過ごす為に仕事をしている。仕事はそのための手段に過ぎない、と言うことです。話しているうちにだんだん興奮してきて、今までの日本人に対する不満が噴出してきて『お前は日本を代表して俺の質問に答えてみろ』みたいになってしまいました。 

 こっちは仕事をすることは、何も『目的』みたいな大げさなことではなく、ごく当然のことで、一生懸命にすることぐらいしか深く考えていません。普通の日本人として、仕事はほぼ最優先で『仕事は美徳』と考えています。

 彼が頭に来ていたのはこうです。 

 日本は優れた工業製品を作っている。良い商品が安いからよく売れるのはいいことだ。しかし、それを『外国に売ることがいけない』と、彼の主張です。

 自分たちは家族の幸せが一番だから、決められた時間の9時から5時までの間にいい仕事をしようと頑張っている。しかし日本人は時間外まで仕事をして良いものを作ったからと言って輸出する。日本に勝つためには自分たちも時間外までして、家族を犠牲にしないと勝負にならない。我々が今まで同じルールの中で『競争』しているのに、日本はあたかも『戦争』みたいに家族まで犠牲にして仕事をする。そんな奴を競争相手にしたらこっちがたまったもんじゃない。それは100メートル競走で、ヨーイ!の合図でもう走り出しているのと同じだ。それはフェアーじゃない。

 拙い英語で話をする中で理解したのは、こんなもんだったと思います。

  『人間が生まれたからには必ず死ぬ。人生とはその生きている時間が人生』

 『良い人生とは良い時間を過ごしたこと。いかにお金や物を得たかではない』

 共感はするのですが・・・。

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