カシミヤニットのカスタムオーダー UTO

シャングリラホテル パオトウ  包頭・中国

今回の中国内モンゴル自治区のバオトウは日本ではあまり馴染みの無い街ですが、カシミヤに携わるものにとっては欠かせない街です。

 カシミヤは中国、モンゴル、イラン、アフガニスタンや中央アジアの国々の山岳地帯で産しますが、中国内モンゴルは世界で一番の良質な毛と量を産するところと言っても過言ではありません。

 そのカシミヤの仕事で訪れたバオトウ(包頭)は、日本の天気予報図で毎日見る冬の 大陸性高気圧の吹き出し口のようなところです。訪れたのは、12月のクリスマスのとき、内モンゴルの真の寒さを体感できる真冬でした。

カシミヤ山羊

 近年の内モンゴルは、豊富な地下資源や農産物などの取引で外国からも多くのビジネスマンがやってきて、

空前の好景気。

 シャングリラはバオトウに出来た5星ホテルで、発展する街のシンボル的存在。

ロビーは多彩な人種の顔ぶれです。

 快適な居心地は当然ですが、普段日本ではこんなデラックスホテルはなかなか泊まる機会が無いのでなんとなく浮いている感じです。

 

 お世話していただいていた現地の人に、『一度、街中の普通の旅社に泊まってみたいなぁ』と言ったら、即、『無理!』と言われてしまいました。『危ないし、蚤がいっぱい!』と言われてひるんでしまいました。高級ホテルに泊まっている邦人がなんてノー天気なことを言っているんだと思われたのかも知れません。蚤で引きましたけど、40年前の20代の頃だったらこの高級ホテルを抜け出して現地の旅社を体験したいという好奇心が強かったけど、すぐにあきらめるのは年をとったせいですね。

シャングリラ

 朝、出張で訪れた街を散歩するのが一番の楽しみですが、真冬の内モンゴルは寒すぎて散歩にはなりません。さすがのベルボーイ君も館内でスタンバイ。ホテルの前の公園にも誰もいません。でもせっかくなので公園を歩いてみることにしました。もちろんしっかり防寒の服装です。聞くと、『一昨日はマイナス25度だったけど、今日はマイナス15度ぐらいだからそんなに寒くはない』と言っています。

 

 外に出るとピーンとした空気で思わす体がシャキーンとします。メチャメチャ寒いのに雪は全くありません。所々にカッチカッチの氷の塊があるぐらいです。とにかく冷えていても乾燥しているせいか雪が無いのでとっても不思議な感覚です。

 歩いている間は良いんですがちょっと立ち止まると震えるほどの寒さが襲ってきます。ホテルの前の大通りを電動バイクが音も無く疾走しています。この寒さの中、どんな感覚をしているんだろうと不思議でなりません。

バオトウ

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