ヨセミテロッヂ カリフォルニア・USA
1970年に旅行屋になって、10年が過ぎて初めてアメリカ本土を訪れました。その間、アジアの国々をはじめヨーロッパを何度も訪れたり、ブラックアフリカのケニヤやナイジェリアまで行ったのにアメリカ本土に行く機会がありませんでした。ハワイやグアムなどは度々訪れましたが・・・。
ヨーロッパの歴史や文化の素晴らしさに惹かれ、歴史の浅いアメリカにあまり魅力を感じていなかったのが正直なところで、若気の至りでした。そのアメリカの素晴らしさを教えてくれたのがこのヨセミテの大自然でした。
ヨセミテ国立公園の入場者はアメリカで一~二を争うほどの人気の公園です。サンフランシスコやロスアンジェルスなどの大都会から近いとうことがあると思いますが、山岳リゾートの極みと言える素晴らしいところでした。
私だけと思いますが、ヨセミテは信州の上高地になんとなく似ているような気がするんです。
山があって、きれいな川があって。スケールの大きな上高地のような・・・。
大都会のサンフランシスコを出て約4時間。緑滴る大自然の中に生き返ります。
ヨセミテロッヂは公園の中心的施設。すぐ近くに300メートルの落差を誇るヨセミテフォールが望めます。
ホテルからぶらぶらあるいてヨセミテフォールへ。あまりにも凄い落差と迫力に、華厳の滝のようなおしとやかな日本の風景に慣れた身には怖いくらいです。
また、1000メートルもある巨大岸壁のエルキャピタンはいつも誰かが岩に取り付いているのを、チェアーに座って一日中双眼鏡で登山者を見ている人もいます。
当時、日本では夜行での山行きで一生懸命に山に登ったのに比べて、ここは『自然をのんびりと楽しんでいる』、文化の違いにカルチャーショックを受けました。
ヨセミテでは苦い経験と云うか、感心した経験があります。
モミの大きな松かさが落ちていたので、これはいいお土産になると思い、拾ってバスに乗り込んだら、
運転手に、『ダメ!もとの落ちていた場所に戻して!』とかなり厳しい口調で注意されてしまいました。
命令口調で『そんなことも知らないのか』って感じです。
『そんな言い方をしなくても』とカチンと来ましたが、元の場所に戻すと、そのバスの運転手は子どもを諭すようにウムウムとうなづきながらウィンクをしています。
後ろのシートの金髪のおばちゃんが、『国立公園の中の自然物は例え落ちていた松かさでも手を触れてはいけないのよ、蹴っ飛ばしても誰も何ともいわないけど、手で触ると注意されるのよ』。
『でも、国立公園を外れたらノープロブレムだから。でも私のオハイオではそんなのいくらでもあるわよ』と、
教えてくれました。