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葛城・北の丸  袋井・静岡

静岡県袋井市にある葛城(かつらぎ)。なんだか仰々しい名前ですが、ゴルフファンならまず頭に浮かぶのが葛城ゴルフクラブでしょう。
女子プロのトーナメントも開催されるコースです。

ホテルファンにとって興味深いのがこのゴルフコースの一角に建つ、ホテル葛城北の丸です。取引先さんとの懇親のゴルフで泊まったホテルですがもっともっとホテルとして評価されて良いホテルだと思います。2002年のワールドカップ日韓大会のときの日本選手の宿泊ホテルとして試合後選手たちが帰り着いた映像が流れていましたが、さすが日本サッカー協会は良いホテルを捜したと感心していました。

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「着きましたよ」と言われてタクシーから降り立つと石畳の上に壮大な長屋門が迎えてくれます。大門の前の一対の常夜灯がアクセントになってなかなかの演出です。
この常夜灯は夕方になって燈が入ると大家根のシルエットと調和していっそうの趣を増します。まるで江戸時代にタイムスリップして、豪族の平城か庄屋様の家に居るような不思議な感覚です。
旧家を解体して再築したという建物で日本の良き伝統を守り継ぎ現代に甦らせたセンスはさすがです。
案内された部屋は落ち着いた色合いのツインルームで広さも十分でした。これなら外国人が泊まっても日本の古い建築の良さや食事を堪能して部屋に帰っても戸惑うようなことは全く無いという、和と洋がいい具合に調和していると思います。

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グルメ中のグルメと云われたヤマハの亡き川上源一会長が思いを込めて作ったというホテルだけあって食事には大いにこだわっています。
食材のほとんどを敷地内の畑で自家栽培するという力の入れようです。
1泊2食付で申し込んだのですが、食事の席に着くとお客様の名前いりで料理長による毛筆で書かかれた品書きがセットされてありました。

ヨーロッパには古いお城や宮殿をホテルとして改造したシャトーホテルが沢山有りますね。
街を一望する丘の上や、街外れの静かな森の中のシャトーで過ごすことは旅の大きな楽しみの一つで、歴史的な建物は旅人を泊める宿泊施設というよりリゾートホテルという感覚です。
シャトーホテルに泊まることは旅の大きな目的の一つで、シャトーホテルに泊まることを目的にコースを選ぶこともあるくらいです。
堅固な石垣で巡らされた葛城北の丸は、日本版シャトーホテルだと思います。ヨーロッパのシャトーホテルにはもっと厳つい石造りの建物も有りますが、この葛城北の丸はシンプルな木造なのにヨーロッパの石造りを凌ぐ威厳を感じます。
このホテルを作った日本楽器の川上源一会長は『お客様を殿様として迎えたい』と言うことだそうですが、この壮大な長屋門をくぐる際に緊張してしまうのは育ちの貧しさの悲しさでしょうか。

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我が日本に、日本の伝統を誇る歴史的な建物のシャトーホテルが無いのが残念でならなかったのが、葛城北の丸が出来、やっと日本にもシャトーホテルが出来たかと喜んでいます。
惜しむらくは、ゴルフ場の付帯宿泊施設の感が否めない。何としてもゴルフ場と立場を逆にして貰いたいものです。

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