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ホテル ゾンネ フュッセン・ドイツ

ノイシュヴァンシュタイ城はいまではすっかり有名になりましたが、僕が中学生の頃(1960年代)に初めて写真でみた時、『本当にこんなお城があるんだろうか?あるとしたらどこにあるんだろう、是非自分の目で見てみたい』と思った覚えがあります。そんな疑問や好奇心が旅行屋になるきっかけのひとつだったと覚えています。
このお城、ドイツ・バイエルン州の南部、オーストリアとの国境近くのフュッセンという街の近くにあります。



フランクフルトの近くのヴィルツブルグからフュッセンまでロマンチック街道と呼ばれる街道があります。ローテンブルグを初めノルトリンゲンとかディンケルスビュールといった中世の面影を残す城郭都市など、珠玉の街がありますが、ロマンチックの名前の由来にはこのノイシュヴァバンシュタイン城が貢献していることは間違いないでしょう。

1975年当時はドイツでもこんなところまで行ってくれる人はないということで、ドイツ大使館の文化部の担当の人が大変親切にアドバイスしてくれました。

長年の夢が叶って訪れたノイシュヴァンシュタイン城は期待通り可愛いお城でした。特に印象が深かったのがロープウェイに乗って遠望のノイシュヴァンシュタイン城の後ろの緑の山々と2つの湖が美しかったことです。長年恋焦がれた人に出会えた喜びがありました。
このノイシュヴァンシュタインだけが目的、というよりほかの知識が全くなくフュッセンを訪れたんですが、すぐ近くにあったヴィースの教会が思いがけない収穫でした。

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緑の牧草地の中に建つヴィース教会の外観は、一見普通の教会のようでした。この教会はヨーロッパではロココ調の代表的な内装で、今では世界遺産に登録されているほど有名な教会ですが、当時予備知識のないまま訪れた私は驚いたというよりカルチャーショックでした。
隙間無く施された細かな彫刻。それが金キラ金に輝いています。侘び寂びの世界に生きる日本人にとって豪華を通り越して圧倒され気が休まらない空間で、『洋の東西とはこんなに違うものか』と実感した記憶があります。
また、あまり期待していなかったフュッセンの街も印象的でした。ドイツアルプスの麓に位置し三角屋根が並ぶ空気が清々しい街で、街はずれの湖で夏の暮れなずむ湖畔を散歩していると高原のリゾートにいるようで素敵でした。

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三角屋根のホテル ゾンネの窓からフュッセンの街の石畳の通りを眺めながら、思ったことがあります。

目的のノイシュヴァンシュタイン城はもちろんよかったけど、この日訪れたヴィース教会や、高原のように清々しいフッセンの街、山の空気、人々のざわめき、街の匂い等々。日本での予備知識や映像などでの情報だけでなく、実際に訪れて、自分の身を置いて初めて理解出来たり、五感で感じたり、実感することの大切さと旅の素晴らしさ。

旅って良いなぁ。旅行屋になって良かったなぁ・・・、とつくづく実感したホテルでした。

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