アルファーリゾート トマム 新冠・北海道
あれぇ!星野リゾートトマムじゃないの?!と言われそうですが、私が泊まったのは2001年8月です。
今は星野グループのリゾートとして人気ですが、私が訪れた時は丁度アルファーリゾートが破綻してすぐの頃で再建も途についていないような時でした
館内は撤退したテナントのスペースがベニヤ板で仕切られて、有名な超高層の宿泊タワーは2棟ぐらいしか使っていない様子でした。なにもベニヤで仕切らなくてももう少しお洒落に囲ったらと思いますが、囲わないと荷物が散在しているんでしょう。ある面貴重な体験でした。
北海道の雄大な自然の中に300万坪の巨大リゾートとして開発されたアルファリゾートトマムは1983年に、それまでの日本にはない大きなスケールのリゾートとして華々しくオープンしました。北海道へ行ったら一度は泊まりたい処としてとっても憧れていましたので、倒産のニュースはショックでした。
日々厳しい資金繰りに追われ気持ちも折れそうな日々。好きな旅に出る余裕も全くなく紋々としていた時に、カミさんの強い勧めもあり思い切って北海道の列車に乗りに行こうと旅に出ました。乗り鉄小僧にとっては、北海道を列車に乗るだけが目的の旅でした。
旅の終盤、石勝線の列車は夕張を過ぎ鬱蒼とした原生林を走る車窓は美しい緑一色。占冠をすぎトマムに近づくと超高層のホテルが見えてきてワクワクします。
無人のホームへ降り立つと駅舎にホテルからの迎えの女性が待ち受けていました。ここで降りる人はトマムの宿泊客しかいないようです。
案の定、満面の笑顔で、「ご予約のお客様ですか?」。「いえ、予約はありませんが、泊まれますか?」。「はい!」と、待ちかねたような返事に先導されて超ワイドボディのシャトルバスに乗り込みました。なんとなく罠にはまった獲物のような気がします。
10日間ずっと列車に乗りっぱなしの旅で、長年憧れていたリゾートのトマムで1日広大な自然の中で過ごす時間は沁みました。
特に超高層ホテルの17階の部屋で、横着にもベッドに寝転んで外を眺めていると、巨木の隠れ家や峠からの異次元の眺望の様で特別に印象的でした。
あの眺めは、ホテルの経営状況とは関係ない素敵な想い出です。