ホテル・メトロポール インターラーケン・スイス
1970年代、旅行屋の頃、ヨーロッパのツアーを作るとき、パリとフィレンツェが好きでよくこの2つの街を旅程に組み込んでいました。イタリアとフランスの間の移動は私の好きな鉄道です。
イタリアからスイスに抜けるときのルートで多かったのが、シンプロントンネルルートでした。ここは、日本の大清水トンネルが出来るまでは世界で一番長いトンネルでした。
ミラノから湖の美しい街々を過ぎるとアルプスの傾斜がきつくなって、アルプスを貫くシンプロントンネルを抜けると屏風のような深い谷が続きます。ぱっと明るくなってシュピーツという小さな駅に着くと、「スイスに来た!」という印象を強くしていました。
この駅はスイス国鉄の三叉路のような駅で、多くの列車がこのシュピーツ駅で15分ぐらい停車していました。ちょっと一息という感じで駅舎を出ると眼下に素晴らしい湖の景色が広がります。この駅に着くと必ずこの景色を見ないと気が済まないほど楽しみな眺めでした。
この湖はツーン湖と言ってこの湖に沿って東に行くと今回のインターラーケンという街に着きます。
インターラーケンとは、湖の間という意味です。街の東側にブリエンツ湖という湖があり、ツーン湖とブリエンツ湖の間にある街なんです。
この街からアイガーやユングフラウ等のアルプスを巡る登山鉄道が出ています。夏場はこの奥のグリンデルワルドという牧歌的な村に泊まることが多かったのですが、2度ほどこの街に泊まり、その2回ともこのホテル・メトロポールに泊まりました。古く低層の建物が多いこの街では一番背の高い建物で、街中の現代的な建物です。
本音はグリンデルワルドのような山麓のスイスらしいところに泊まりたいのですが、いつも予約が取れないのです。どうしてなんだろうと思い、現地のインバウンド業者に聞いたら、冬のスキーシーズンは多くのホテルが週単位での予約しか受けないのだそうです。週単位などは想像もしてなかったので新鮮な驚きでした。
この街には世界的にも有名なヴィクトリアというホテルがあります。そのホテルの前に緑の広場がありユングフラウが眺められます。
この眺めが消えないように、この芝生の広場には建物を建てないように決めているという事を聞きました。素晴らしい考えですね。