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蒲郡 プリンス H 蒲郡・愛知県

東京から西に向かって疾走する新幹線が浜名湖を過ぎ、豊橋の手前辺りに差し掛かると、いつも左の車窓を注視して小高い丘の上に建つ、緑の屋根のお城のような建物の蒲郡プリンスホテルを探してしまいます。
この蒲郡プリンスホテルの前身は1934(昭和9)年に建てられた、現存する数少ないクラシックホテル、蒲郡ホテルです。

橋からホテルを.JPG

竹島からお城のようなホテル

蒲郡ホテルは終戦後から1951(昭和26)年まで米軍に接収されていて、その後再開しました。機会を作って是非泊まりたいと思っていましたが、機会のないまま1980(昭和55)年に経営不振で閉鎖されてしまい、とっても残念に思っていました。
閉鎖中の蒲郡ホテルを見に行ったことがありますが、その後プリンスホテルが買い取って再会するという話を聞いてとっても喜んで、また期待していました。

長年の想いが叶って初めて泊れた時は、豊田で仕事を終えて蒲郡まで戻って泊まったので着いたのは夜の9時過ぎでした。
3階の部屋に入ってカーテンを開けると、真っ暗な海に竹島に渡る橋の街路灯が並んで光り穏やかな波に明かりがキラキラと反射して幻想な感じがとっても印象的でした。

竹島からのホテル.JPG

引き潮時は小さな砂浜が現れる

ここでの朝の散歩の楽しみはなんと言っても三河湾国定公園の代表的な景勝地の竹島です。
竹島は240種類の暖帯常緑植物と弁財天を祭った八百富神社を奉った島です。
ホテル前の急階段を下りて、橋の手前の広場で近所のオバちゃんたちのラジオ体操に入れてもらい準備運動をして島に渡りました。
島に着くと真直ぐ石段を上って八百富神社に参詣。神社の横から島の突端に出てそこから右回りに半周します。島は常緑樹が多く鬱蒼とした木々はメジロのねぐららしく賑やか。半周が終わって正面に戻ると島の取り付きから今度は島の左側に回りこみます。ここから先は道があるような無いような。でも僕が好きなのはこっちの左側です。(ハイヒールは無理)

この時はちょうど引き潮の時で小さな砂浜が現れていました。久しぶりの砂浜。砂浜に寄せる透明な波。岩に腰を下ろして海を見ていると時々ボラがはねます。ここからは城郭のようなホテルの遠景がきれいです。
誰もいない静かな浜辺で波を見ていると、なんだか田舎の九州の島原を思い出す懐かしい時間でした。

綺麗な浜辺.JPG

澄んだ海にちょっと感動

堤防に阻まれた海岸が殆んどの現在、出張の途中で砂浜を歩けることはとっても珍しいと思います。

2012年に蒲郡クラシックホテルに名前が変わりました。やっぱりプリンスホテルのような大企業ではやっていけないんでしょうか。厳しいですね。

名前の記述は泊まった当時のままにしました。

でも、オーナーや名前が変わってもいいから、このホテルが残ってくれることを切に切に願います。

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