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シュロスホテル  ラインハルツハウゼン  エルトビレ・ドイツ

一時期のワインブームはどうやら日本人の生活に定着しつつあるようですね。カリフォルニアとかオーストラリアなどのワインもよく見かけますが、何と言っても本場はヨーロッパ。中でもフランス、ドイツ、イタリア。

特にシャトーものといわれる極上ワインは、何々家の畑で獲れた葡萄を伝来の技法で作った逸品と言うところですが、その何々家と言うのが農園主であり館なんです。シャトーとはフランス語でお城、農園主の館も意味します。ドイツ語ではシュロス。
今回紹介するホテルシュロス・ラインハルツハウゼンは、ドイツ代表のラインワインのお城なんです。

ラインハルトハウゼン外観

エルトビレの郊外にひっそり

ラインハルツハウゼン外観

庭の奥はライン河

ライン河観光は、大聖堂で有名なケルンの下流のマインツからコブレンツという街の間が一番の見所で、多くの観光船がここを上り下りしています。
両岸の断崖の上には歴史的な古城が次々と現れ、ハイネの歌で有名ローレライの岩もここにあります。よくライン河の風景として紹介されるのが処です。

その中ほどのエルトビレという小さな街外れにホテル シュロス・ラインハルツハウゼンはあります。
ここの城主はマリアンというロシアのお姫様だったそうで、ドイツ特有の質実剛健というより、お姫様のお城らしく明るくフランス風のエレガントな離宮的古城ホテルです。
ライン河の斜面に広がる広大なぶどう畑の中に建てられていて、十九世紀初めに書かれたという絵や、古い家具が置かれ、とっても優雅な気分にさせてくれます。

到着した翌朝早く、ぶどう畑のあぜ道を散歩しているとき、朝霧の立ち込める中で路傍のキリスト像に出会って、『ああ、自分は今ヨーロッパにいるんだ』と実感したことを思い出します。日本でいうと道端のお地蔵さんのような感覚なんでしょうね。

路傍のキリスト像.JPG

路傍のキリスト像

ワインの産地は河の周辺が多いそうですが、河の両岸は良い葡萄が獲れるんだそうです。『ライン河が温度と湿気を調節して、上からの太陽と川面から反射した太陽、二つの太陽の恵みがいいワインを作るんですよ』と、ワイン造りのエピソードをこのホテルの女性オーナーに教えてもらいました。
ワインセラーで試飲させていただいたワインはもちろん自慢の白ワインのシュロス・ラインハルツハウゼン。
全くの下戸の私はせっかくの極上のワインは駄目でしたが、皆は大喜びでした。
以来、日本でワイン売り場があると買いもしないのにこのシュロス・ラインハルツハウゼンを探してしまいます。 

このホテルに泊まったのは40年も前になりますが、個人であのホテルとワイン農園を維持するのは大変だろうとおもっていました。
残念ながらその危惧が当たったのか、今ではドイツの有名なホテルグループに買収されてしまったようです。
ホテルはその後、リニューアルされて豪華ホテルになったようですが、あのときのオーナー夫人はどうされたんだろうと、時々思い起こします。
きっと売った資金で優雅にお暮らしでしょうね。

写真も40年前のものです。

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