ペナン島はマレー半島とスマトラ島の間のマラッカ海峡に浮かぶ島で、イギリスの東方貿易の中継点として発展した処です。
ホテルゴールデンサンズはこの島の中心のジョージタウンから車で約３０分。マラッカ海峡を一望する海岸に沿ったリゾートホテルで、両手を広げた様な半円形の白い建物。全室オーシャンビューです。

屋根がマレー風の、最高級のホテル ラササヤンと庭で繋がっていて、いつもこっちの方に入り浸り。寝る時はちゃっかり隣のゴールデンサンズへ帰る、二つのホテルを一つに使うあつかましい客でした。
街までは車で一息ですから、仕事での出張でもごみごみした街中に泊まるよりここから仕事に行くのを選びたいですね。　

イギリスの統治時代の建物が残るジョージタウンは、西欧と中国とマレーシアが混ざった街で、市内観光には自転車の前に座席を付けた人力タクシーのトライショーが一番。
皆懸命に呼び込みをしている溜まり場で、どれにしようかな。
若者はいつでも仕事があるだろうから、一番年配のおじさんに乗ってあげようと、気の弱そうなおじさんの処へ。

そんなに高い金額ではなかったと思いますが、「必ず値切らないとダメ」と現地のガイドさんに言われていたので、おじさんの言った値段の半分を言って、結局最初の七割の値段で交渉成立。
イザ出発！前に遮るものがありませんから眺めはバツグン、自転車が切る爽やかな風。これは快適です。

暫く走って、信号で止まるとなかなか走り出しません、後ろの車からクラクションを鳴らされます。
あれーと思っておじさんを見るとびっしょりの汗です。
まだ１５分も経っていないのにと思いながらも、なんだか自分の父親に近い年寄りを苦労させているような気がしてきて、観光どころでは無くなってきました。

仕方なく暫く走って、屋台の飲物屋さんの前でジュース！ジュース！と言ってストップ。
おじさんにも一本渡してもうここでいいと言うとおじさんはお金を返そうとします。
いらないと言うと不安な様子だったけど、にっこり笑ってサンキューと言って去って行きました。よたよたの後ろ姿を見送ってホッとしました。
良かったのか悪かったのか、複雑な気分のジョージタウンの観光でした。