2019.6 カシミヤ天使の栞の物語
当社は、2011年10月に山梨から岩手に工場を移転しました。当時東北地方は東日本大震災にみまわれた半年後の混乱状態で、比較的被害の少なかった北上市には、沿岸部から600名近い方が避難しておられました。
新参者の私たちも企業市民として何かできることはないかと考え、ふるさと納税で寄附を頂くごとに当社が100円を募金することで、東北の寒い冬を越すための灯油代の足しにでもと、北上市を通して寄附を始めました。同時に、カシミヤのアピールも含めて、世界一柔らかい「天使の栞」を作って販売し、これも一枚売れる度に100円を寄付することにしました。
寄附をするのは今年で7年目で、合計すると193万円ほどになりますが、避難者の方から「北上は雪が多く寒さも厳しいのでとても助かる」と、感謝の言葉を頂いているそうです。
*けっこう大変、栞の作り方
この「カシミヤ天使の栞」は、当社の社員が本体の色と、ふさの色の組み合わせを考えながら1枚1枚手作りしています。1枚500円ほどのコストがかかりますが300円で販売しています。もちろん100円は被災者への支援として募金させて頂いています。
*ネットで販売を開始
ネット販売の楽天では、販売手数料、決済手数料、郵送料で少なくとも200円はかかりますので、赤字は最初から仕方ない、この天使の栞で震災に遭われた被害者の方にちょっとでも手助けができ、UTОのカシミヤを知って頂く機会があれば御の字だと思っています。
おひとりで30枚も購入して下さる方がいらっしゃいました。差支えなければ「何に使っていただけているのか」をお聞きしたら、「生徒たちにひとりひとり渡します」と仰る中学校の先生でした。感謝感謝です。
*ミュージアムショップでも販売
ありがたいことに昨年から、美術館や博物館などのミュージアムショップで販売していただけるところが出てきました。
販売いただいているミュージアムショップ&本屋さん
山形県天童市・広重美術館
東京都世田谷区・世田谷文学館
岐阜県関市・フェザーミュージアム
京都市・清水三年坂美術館
京都・一乗寺の本屋さん、恵文社
今年はもっと多くの処で販売頂けるように、頑張って日本中のミュージアムショップなどにアプローチしてきたいと思います。
残念なことにあんなに悲惨な東日本大震災も時が経つにつれて次第に記憶も薄れ、寄附も少なくなってきているようです。