1994.1 楽しく食事 テーブルマナーあれこれ
* カシミアおやじのたわごと *
雰囲気のいいレストランで、ピカピカのシルバーやグラスが並び、気持ちのいいサービスで美味しい食事を頂く。最高に幸せですね。 でも、日本人、特に女性の中にはテーブルマナーを気にし過ぎて、せっかくの美味しい食事もあんまり良く味あえなかったという人が案外多いんですね。
卒業前にテーブルマナーの実習をして欲しいということで、ホテルやレストランでのアルバイトが度々舞い込んで来ました。こちらは美味しい食事ができお金までいただけるんですから、ホイホイとお受けしたものです。
自分ひとりで食事を頂くには、マナーは必要ではないわけですから、基本的には複数の人がお互いに美味しく、楽しく、スムーズに食事するに最も都合のいい、と言うことで確立されてきたのがテーブルマナーですから、これで無ければいけませんと言うのはないのです。(けっこう合理的に出来ているんです)一応これは知っていたら便利というのをいくつか。
まずテーブルには、向かい合って座るのが一般的ですね。ですから向かい側の相手に刃を向けない、ナイフの刃は自分のほうに向ける。これは、昔は本当の剣で肉を切って食べていたときの名残で、洋の東西を問わないようです。
次に、サービスをする人の仕方を知っていると、とっても便利です。 食べ物のサービスは座っている人の左側から、飲み物は右側からが原則です。だから飲み物は右手で飲んで、右側に置かないと、ウェイターの人は困ります。
結婚式など、ズラーっと並んでいるときなどに、一人でも左手で飲まれて左側に置かれたら、ごちゃごちゃになってしまいます。食べ物がサービスされるとき、左肩を少し開けてやったらウェイターは大助かり。
では、スープはどちらからサービスされるかといいますと、左です。そうです!スープは食べるんです。英語でも I have soup と、言い、決して I drink soup とは言いません。
スープは音をたてないと飲めないという人がいますが、その人は考え違いをしていると思います。飲もうとすると、どうしても音が出ます。アイスクリームやチャーハンをパクリと食べる要領で食べたら、音がしないというよりは、音をたてることが出来ません。試してみてください。
しかし、欧米とは歴史や文化や伝統が違うわけですから、あんまり気にし過ぎて、肝心の食事が喉を通らなかったらつまりませんね。 テーブルマナーの目的は、みんなで楽しく美味しく頂くことですから。
外国人が、蕎麦やラーメンをスパゲティみたいに、箸にくるくるまいている人を見ても、オイオイとかアレーと思うぐらいで、あんまり不愉快には思いませんもの。だいいち彼等には、食べ物を吸い込むという習慣がないのです。