1998.1 義父の西アフリカ航海記
* カシミアおやじのたわごと *
昨年83歳で他界した義父の遺品の中に分厚い大学ノート3冊にびっしりと書かれた日記があります。
それは義父が60歳の時に船医として、西アフリカを航海した時の航海日記です。
4か月に及ぶ航海で、横浜を出発して、香港に寄港した後マラッカ海峡を通り、インド洋を横切って久々の寄港地が南アフリカのダーバンです。その後、ケープタウン、ナイジェリアのラゴス、ガーナのアクラ等、西アフリカの港に寄港しながらいろんな荷物を積み下ろしする、1万トンの老雑貨船です。
もちろん義父にとっては初めての航海で、はじめは船の習慣に驚き、また物珍しさにいろんなことに興味を持って航海を続ける様が書かれています。
昔の漢字の綴りや言い回し、カルテのようにびっしり書かれた癖字を誰も読む人がいないので、なんとか読んでもらいたいと、ワープロに打ち直していますが、面白くてついつい時間が過ぎてしまいます。
癖字には慣れましたが、記述や行動に明治の人の気骨を感じます。ただ遅々として進みません。
紀行文なら港に入港してからの記述が主でしょうが、なにせ暇を持て余している時間潰しのような日記ですから、することのない海の上の記述が何ページにも及びます。
マラッカ海峡を過ぎて1週間、印度洋(インド洋)上は毎朝の朝焼けから始まって30分おきの記述まであり、笑ってしまいます。
やっと広いインド洋を横切って最初のアフリカ、南アフリカのダーバンに到着です。
今の処ワープロお越しもダーバンまで来ました。これからが面白そうです。