カシミヤニットのカスタムオーダー UTO

1998.2 『野生のエルザ』の著者 ジョイアダムソン婦人の思い出 

* カシミアおやじのたわごと *

  『野生のエルザ』の著者、ジョイアダムソン夫人を文化交流の一環として日本に招き、一週間ほど一緒に関西や北海道を旅行したことがあります。

  若いころはライオンと一緒に生活するような気丈な人でももうおばあちゃん。始めての日本訪問だからと云うことで、私が付きりでお世話することになりました。

 来日された時は70歳代。でも、活発で好奇心旺盛でチャーミングな、とっても魅力あるおばあちゃんでした。

私のことをドンキーとニックネームを付けて、お喋りで質問攻めの笑いの絶えない楽しい一週間。そして私にかなりのカルチャーショックを与えた人でした。

 車窓から鳥居が見えると、「ドンキーあれがシュラインなの?」から質問が始まります。「シントーイズム(神道)とブディズム(仏教)とはどう違うの?信者の割合は?あなたはどっち?」。私の知識と語学力を総動員してもお手上げの質問が次々と飛び出してきます。

 日本の普通の食事がしたいということでお蕎麦屋さんに入りました。

蕎麦が運ばれてくると、予想外、いきなり笊の上から蕎麦におつゆをかけようとするんです。おっと危ないです!

箸の使い方を教えます。予想通りなかなか掴めません。次、実際に私が食べて見本を見せます。蕎麦を汁に付ける具合で味を変えることが出来ることに『日本人はなんて凄いアイディアを考えだすの?』と、感心しきりです。

 彼女はやっと口に運んでも、今度は蕎麦が口の中に入っていかないんです。そうです『すすれない』んです。

「こんなに難しい食べ方は初めて」と、悪戦苦闘です。

口笛を吹く格好で,吸う。と云う教え方でもダメ。どんなに頑張っても蕎麦をすすれないんです。可笑しかったり、驚いたり。大笑いです。

私たちにとってはごく日常の、蕎麦をすすることが出来ない人がいることに気づいてカルチャーショックでした。

 不慮の死を遂げてしまったジョイアダムソン婦人ですが、動物と人の相通じる愛。そして世界中の人と文化の違い。その違いを尊重すべきことの大事さ、その違いが楽しいことを教えてくれたチャーミングなおばあちゃんでした。

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