カシミヤニットのカスタムオーダー UTO

フロムファースト From-1st

  ファッションの街青山はここから始まった

 原宿からケヤキ並木の表参道通をずっと登ってくると広い青山通(国道246)にぶつかります。この表参道交差点は一見三叉路のように見えますがその先がみゆき通りと呼ばれる細い通りがあります。
 表参道通りは表参道ヒルズをはじめラグジュアリーブランドの大型店が主ですが、こっちのみゆき通りは小ぶりの素敵なお店が並びます。

 2つ目の信号の処がお店の中が透けて見えるガラスのビルのプラダですが昔はどんなビルだったか思い出せません。プラダの向かいのモンクレールのお店は以前友人がいたプラスティックスタジオという店舗デザイン設計の事務所でした。その友人が設計したシュロス青山というイタリア風の建物がヨックモックの向かい側に出来たときは、友人の能力にびっくりし、喜んだ想い出があります。
 通りの突き当りは根津美術館ですがその手前にある青南小学校の向かいに赤茶レンガの重厚なビルがあります。これが1975年に出来、山下和正という人が設計し建築学会賞を受賞したという、今回のフロムファースト青山です。

 40年も前に建てられたとは感じない素敵なビルです。重厚な割には多くの出入り口がある開放的なビルで、ビルの地階と一階に誰もが休める背中合わせの長椅子がある思いやりのあるビルで、個人的には青山で一番好きなビルです。
 何年か前、2階に当社ともお取引のあった高級テーラーさんが入っていましたが、現在は今治タオルのお店がはいりました。
 80年代、ここには時代を反映するようなトレンドの店が入っていましたが、最近は往年の華やかさはなく、若い人はここがファッションの青山の震源地とは気づかないかもしれません。
 通りに面した一階の角にあるフィガロ(FIGARO)というお店は、フランスの香りのするカフェで、早朝の人通りの少ない頃、よくモデル撮影が行われています。店内だけのショットだったらパリ当りのカフェというシーンが撮れるんでしょうね。

 ここを皮切りに。80年代、DCブランドのビギ、イッセイミヤケ、Y’s、ニコル、コムデギャルソンなどの店が次々と出て、78年に出来たヨックモックなどのお店とマッチしてお洒落なファッションストリートになりました。
 その頃の表参道通りは地震が来たら壊れそうな古い同潤会アパートに、マニヤックなお店がある程度の地味な通りで、ここからファッションの青山がスタートしたと言っても過言ではないでしょう。

 それにしてもプロデューサーの浜野安宏氏はあの時代に今の青山を予見していたのでしょうか?
 自然が大好きで、スケールの小さい日本をとびだし、アメリカワイオミングのグランドティートンに居を移すなど桁違いの行動力がうらやましくとても尊重していました。フロムファーストのあと、キャットストリートや博多のグランドキャナル街づくりをプロデュースする能力は凄い!の一言です。

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