1994.10 ザルツブルグはサウンド・オブ・ミュージックの舞台
* カシミアおやじのたわごと *
何年か前にアマデウスという映画がヒットし、ザルツブルグはモーツアルトの生まれた街として脚光を浴びましたね。今回のお勧めはそのザルツブルグです。映画の与える影響は強烈で、私がこの街を知ったのも学生時代に観た、サウンド・オブ・ミュージックという映画でした。ジュリーアンドリュースと七人の子供たちが歌でつづる物語で、シンプルなストーリーと映像の美しさ、そして何よりも子供たちの澄んだ歌声と表情が清々しく、何回も観ました。
この映画の舞台のほとんどが、このザルツブルグとその郊外のザルツカンマーグートと呼ばれる山岳地帯です。
私たちが訪れた七月は花の季節で、緑の牧場に黄色いタンポポや白いクローバーの花が一面に咲き誇り、点在する湖とアルプスの山々が調和して、素晴らしい景観でした。
この景観を丘の上から見下ろしていると、このまま一日中でも眺めていたい気分です。
「お昼はレストランではなく、ここでサンドイッチでも食べたほうがずっと良かったな!」と皆の弁。全くの同感ですが、「もしも雨が降ったらとか、霧が出て寒くなったら」等々、色々考えると旅行屋としてはやはり無難なレストランを予約してしまうんです。もちろん自分の個人旅行だったら、ここでサンドイッチですけど。
日本では隣のチロル州の方が有名だけど、ここもチロルやスイスに優るとも劣らないナイスプレイスです。
ザルツブルグ旧市街は、モーツアルトの時代を今にとどめる中世の街。狭い通りや家並み、そして古い絵看板なども昔のまま保存され、路地からその時代の人が突然現れてもちっともおかしくない雰囲気の街です。
街のシンボルのホーエン・ザルツブルグ城が断崖の上に聳え、街の何処からも望め、麓の教会と見事にマッチしています。立体的な街づくりの為か、小さな街なのに堂々とした風格を感じさせる街です。
ザルツブルグまで来たらモーツアルトを聴いてみたい。これは当然ですよね。 この街は、世界中からやってくるモーツアルトファンの気持ちをとっても良く心得ているんです。
ザルツブルグ音楽祭のように、本格的なものばかりではなく、ちょっぴりクラシックに親しんでみたいという人の為にも、歴史的なミラベル宮殿を初めいろんな処でサロンコンサートが開かれているんです。
クラシックと言ってもあまり堅くない室内楽が中心で、モーツアルトの時代を彷彿とさせるような建物や演奏者の服装が演出され、楽しいコンサートです。
ちょっとおめかしして、よそ行きの気分になる。これも旅の楽しさではないでしょうか。