1995.8 かますの話
* カシミアおやじのたわごと *
久しぶりに頭をがーんと一発殴られたような強烈な印象を受ける話を聴きました。
その話は「かますっていう魚、知ってる?」から始まりました。
カマスは肉食でかなり獰猛な魚だそうです。そのかますが泳いでいる水槽の中に餌の魚を入れると、かますはすぐに突進して、パッコーン!と食べるんだそうです。すごい勢いで、迫力満点だそうです。
その水槽にガラスで仕切りをして、その仕切りの向こう側に餌の魚を放すとどうなるか?カマスは猛然と向かっていきます。もちろんガラスで仕切られているので、カラスにぶつかります。何回やってもぶつかり、かなりのダメージを受けるそうです。
そこで、そっとガラスの仕切りを外したらどうなるか?
かますは目の前を泳いでいる餌の魚に興味を示さなくなってしまうそうです。それどころか餌の魚が近づいて来ても避けるようになるそうです。
かますの気持ちがよく解りますね。へーぇ、そんなことがあるんだなぁ、と感心していると、そこで質問!「そのかますに餌の魚を食べさせるにはどうしたらいいか?」。
その人は、かますの口の中に餌を突っ込むと言ったそうです。私は、痛さを忘れるまで待つでした。食べなければ生きていけない。そこまで餓えると自然に食べるようになる、と思ったのです。
答えは違っていました。正解は、「その水槽に野生のかますを入れる!」です。外から入れられた新鮮なカマスはもちろん泳いでいる餌の魚をバンバン食べるそうです。それを視ていた古かますは、焦って餌の魚を捕まえ始めるそうです。
「今の君は美味しい餌の魚をみても食べられない、その古かますじゃないの?」と言われてゾ~ッとしたそうです。
このかます、僕らが食べているあのかますなのか作り話なのか解りませんが、現在の自分を示唆して、思い当たるふしがいっぱいあります。
とっても大事なことを思い起こさせてくれた話でした。