カシミヤニットのカスタムオーダー UTO

1998.3 最高にクールだったムツゴロウさん

カシミアおやじのたわごと *

  ムツゴロウの動物王国訪問記です。

 ムツゴロウこと、畑正憲の動物王国を訪れたのは「野生のエルザ」の著者のジョイアダムソンさんと一緒でした。

  動物保護とエルザ基金のためのアダムソンさんの来日に協力してもらいたいといろんな人にお願いに行きました。

 「野生のエルザ」を出版したB社。和訳をしたF氏。ライオンやエルザの名に関係のある企業、等々。

 アダムソン夫人との関わりでビジネスした人は、何らかの協力が得られると思っていた我々が甘く、ほとんどがけんもほろろ。名乗りを上げるのは、これを利用しようと目論んでいる輩か売名行為の人ばかりで、世間の厳しさと矛盾をいやと云う程身に知らされました。

 そんな中で全く見返りを求めないで、一生懸命に応援してくれたのが、ムツゴロウさんこと畑正憲さんでした。

 若者たちがボランティアみたいにしてアダムソン婦人を招請しているのをみて、『うちにおいでよ!北海道で自然保護を頑張っている人たちを集めて待っているから』と呼んでくれたんです。

 釧路の青年会議所の人たちを始め、方々に声を掛けて頂き、北海道での滞在は全くの無料で過ごすことが出来ました。

その上、困っているのは経済面だろうからと、『サンデー毎日』に掲載された、アダムソン婦人との対談の原稿料を全部寄付してくれたんです。

 また、九段会館での講演も無料出演。西武百貨店池袋店でのサイン会の出演料も丸ごと寄付していただいたんです。

  地獄に仏とはまさに畑さんのことでした。

『イヤー、若い人たちが一生懸命に頑張っているんだから』と、てれながら、何も求めず応援してくれたムツゴロウさんは本当に『クール!』な人でした。

 北海道から東京へ帰る飛行機の中では、『ちょっと御免ね』と云いながら胸のポケットに鉛筆を何本も入れて、締め切りが近くなった原稿用紙に真剣な眼差しで向かっている姿が印象的でした。

 テレビで拝見するとき、相変わらず頑張っておられると喜んでいます。あの優しさは本物です。動物にも人にも。

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