カシミヤニットのカスタムオーダー UTO

2005.12 今夜のご注文はどっち!

* カシミアおやじのたわごと *

本日の特選素材を食べたい 

                    『今夜のご注文はどっち』 

  素材や原料などは『一見普通のものと見分けがつかないものでも、実は』というような、事前に知識が無かったらその価値や良さがなかなか分からないことは多いですね。

 我がUTOのニット作りにも、こんなところにこんなにこだわってものづくりをしているんだから、ここを知ってほしいというようことが多くあります。

 その実は、というようなこだわりを知ってもらうことに対して多くのヒントを得られるTVの番組があります。三宅裕司と関口宏の司会で日本テレビ系でやっている『どっちの料理ショー』です。

  番組では経験豊かな2人の料理人が腕によりを掛けて仕込から料理を作ります。要所要所でプロならではの腕前を披露し、出来上がった2つの料理に対してゲストの支持の多かったほうが勝ちで、勝ったほうが食べられ負けた方は指をくわえて見ているという他愛のない番組ですが、面白くてついつい見てしまいます。この番組の一番のポイントが『本日の特選素材』です。

 料理は調理して出されたら材料の中身はほとんどわかりません。どんなに貴重な食材であっても、こだわって作ったとか、採ってきたとか、育てたかはわからない、いわゆる『有難み』が、わからないですよね。その有難みを誰もが解るように教えてくれるのが『本日の特選素材』なんです。

  特選素材の提供者はほとんど他薦というのがみそで、よくあるのがその素材を扱っている一流のお店の人に聞くケースです。こんな料理を作るのに一番の材料はどれですか?それなら誰々さんが一番とか何処どこで作っているとか、特にその道のプロ達が認める人の推薦がポイント。

 へそ曲がりの僕としては、この推薦は多分演出だとにらんでいるんですが。

  生活をかけて、人生をかけて素材作りや厳しい自然からの獲物を獲るために日々努力し仕事に打ち込んでいる姿は尊く結構感動します。そんな普段は目にする機会の無い感動のドラマを見せられた上で、スタジオに並んだ本日の特選素材のカバーをぱっと取ると『うわー』とため息とも驚きともつかない声が沸きあがります。

 目で味が判るはずがないのに思わず喚声が上がるほど説得力のあるVTRです。そんな素材を使ってるんだったら是非食べてみたい!と誰もが思うでしょう。

  もしこのVTRが無く料理人の腕だけでそんなに違いがわかるはずがありません。特選素材を知ることで美味しさが倍増。自分はVTRにあったあれを食べるという喜びが沸き起こります。

 知ることで関心や、興味を持つ。興味を持つことでより深く知り、知ることで喜びが増す。今の成熟社会で『関心ある人にいかに喜んでもらうか』の大事な要素としては『如何に知ってもらうために努力するか』が重要なんですね。

 そのために『ニットの話』を書いてUTOのニットやカシミヤは、如何に優れた原料とテクニックが盛り込まれているかを知ってもらいたい、そして喜んでほしいと思うんですが、この番組のVTRの10分の1の伝える力もないのがもどかしいものです。

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