2008.7 なぜそんなに早くから注文するの?
* カシミアおやじのたわごと *
カシミヤフェアーのお知らせとご案内
カシミヤフェアーが好評な訳、業績のいい店は考え方が違う。考え方が違うとアプローチも違うと思います。
ある成績の良いお店にお伺いして秘訣をお尋ねしたことがあります。
『秘訣なんてないですよ!』とおっしゃいながらいろんな話をしてくださいました。
『カシミヤフェアーの一番のポイントは来客数ですから事前のお知らせが一番大事でなんと言っても電話案内です』と、そのお店の経営者はおっしゃいます。
『他様のお店は知りませんが、うちの店では』と言う前置で、『催事で食事やプレゼントなどを出すことはありません。フェアーのご案内は葉書です。葉書には販売員の直筆のコメントがないと殆ど意味がありません。どんなにきれいな絵の葉書でも何百人に出したかもしれないような葉書をもらっても嬉しくありませんからね』。
『何より重要なのは来店時と電話での案内です。基本的にうちのようなブティックにこられるお客様は、生のコミュニケーションを求めて来店していただいているんですよ』。
『でも、考え間違いしていると電話案内は呼びつけになってしまう危険性があります』。『呼び付けじゃないご案内をきちんと指導することだと思います』。
どうやって指導されるんですか?
『よくわかっている販売員は嬉々として電話してるんです。本当に楽しそうにね』。『お客様の誰々さんには、既成のセーターは袖が長い』というようなことを接客で知っていますから、想像力を働かせてカシミヤフェアーでは、こういうことも出来る、ああしたらきっと喜んでくれると。相手のことを思って案内していますので話しも弾むんです。
『一方、お客様に電話で案内するのをためらっている販売員もいるんです。そんな販売員は、お客様に電話でお願いして、来店していただいて売りつけるような意味に捉えている可能性が大きいんです。『買っていただいて申し訳ないみたいにね』。
『これは正しく理解していないととんでもない誤解になるかもしれないと思い必ずこのことは理解してくれるようにきちんと説明します』。
『販売が仕事だから売上を上げなければいけないからと思っている販売員には、貴方が案内をされる立場だったら、それも一番好きなことに置き換えて考えて御覧なさいと、言ってあげるんです』。例えば温泉旅行が好きな娘なら、『もし貴方が前々から行きたいと思っていた憧れの温泉旅館の良い情報をいち早く教えてくれたらきっと嬉しいでしょう。予約を入れるのは都合さえ付けば早いほうが良いでしょう。そこへ泊まりに行きたいためにいろんなものを我慢していたんだから』。『もし、半年前から予約を入れたらカレンダーに印を入れて楽しみにするでしょ』と。
『不安な材料を取り除いてあげると目から鱗が落ちたように嬉々として積極的になれることがあるんです』。
『こんなに良い情報だと思うからいち早くお知らせする。それ以上でもなければ、それ以下でもない。貴方の中にある、売上とか買ってほしいという頭があったらまずそれを外しなさい』。『お客様は電話をかけて誘ってくれるのを待っているんですよ』。来店されるかどうか判断されるのはあくまでもお客様なんです。
『そのお客様はもう長い間この店のお得意様なんですよ。たまたま通りがかってフェアーをやってて、電話をもらっていなかったらどんな気持ちがする?』。『私には声も掛けてくれなかった、と思ったら寂しいでしょう』。『どうせ買わないと思っているから私は対象外、なんて思われたらそれこそとんでもないでしょう』。『ま、これがきちんとできるのがプロの販売員なんですけどね』。