カシミヤニットのカスタムオーダー UTO

2008.8 ナンジャモンジャの花咲く頃

* カシミアおやじのたわごと *

 桜の花が終わって緑の葉が出揃ったゴールデンウィークの後半頃になると、小金井の自宅のマンションから白い花が咲く木が見られます。植木屋さんの事務所があるところです。ここへ引っ越してきた最初の春、『白い花水木が咲いているんだな』と思っていましたがこの花は『なんじゃもんじゃ』という変わった木花でした。

『なんじゃもんじゃ』なんて、一度聴いたら忘れないこの珍しい名前の木と出合ったのは青山の神宮外苑の絵画館の前です。

 何年か前の冬の頃すっかり葉が落ちた3メートルほどの木に『なんじゃもんじゃ』という名前の札と簡単な説明があり本当にあるんだと知りました。それまでは誰かが面白おかしく云っていたんだろうぐらいに思っていました。

 モクセイ科の高木で正式名はヒトツバタゴというらしい。

 この、なんじゃもんじゃの花を始めて見たのは岐阜県の恵那市付近でした。ニット屋の大先輩で、このニット便りで紹介した『よしべのおっちゃん』の伊藤さんを訪ねて恵那まで出かけて云った時のことです。

 ゴールデンウィークが終わった5月の中ごろ訪れた恵那路はこのなんじゃもんじゃの花が満開の時期でした。木全体に真っ白に咲く花の様は雪に覆われたように美しくここならではの珍しい光景でした。

 絵画館の説明書きに自生地は東濃地方と書いてあったのを思い出しましたが、恵那はまさに東濃でした。

 恵那市の隣の蛭川(ひるかわ)村では村の木に指定されていて、蛭川中の校章にもこのなんじゃもんじゃの花が使われ、蛭川カントリーのシンボルもなんじゃもんじゃの花で、コースにも植えられていてスコアーカードにもこの花がデザインされていて皆に愛されているのを感じます。

  花が咲くこの頃じゃないとなかなか判別しにくい木ですが、こんなに珍しい木なのに、小金井の周りでも春の花の季節なら気をつけて捜すと思わぬところで見つけることが出来ます。

 調布にある深大寺の門前のお蕎麦屋の嶋田屋の前に一本、深大寺の境内にはかなり大きな木があります。深大寺と隣接する神代植物園にも何本か植えられています。

そして我が家から見える植木屋さんの入り口。東京経済大学の近くの民家にも一本ありました。きっとここの人は岐阜の出身者なんだろうなぁ、と密かに、かってに思っています。

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