カールトンホテル フィレンツェ
花の都フィレンツェ!この街は1970年代、80年代に何度も訪れましたがこのカールトンホテルは73年に初めてフィレンツェを訪れた時に泊まったホテルです。
このホテルは現在、ホテル・NHフィレンツェという名前の四星ホテルとして今も営業しているようです。
ホテルの前に広いカシーネ公園があり、アルノ川河畔の散歩にはもってこいのホテルです。フィレンツェの市街はもちろんですが、街を滔々と流れるアルノ川に特別に魅力を感じました。
雲仙普賢岳が噴火した時、火砕流や噴石が麓の有明海にまで達するぐらいに急峻な島原で生まれ育った者にとって、ゆったりと流れるアルノ川はヨーロッパそのものでした。
歴史で教わった芸術の都は。メディチ家の本拠地としてルネッサンスの花開いた都市のフィレンツェはもっと大きな街だと勝手に想像していましたが「こんなに小さな街がヨーロッパの歴史を作ったんだ」と驚きでした。
カールトンホテルから、アルノ川に掛かるポンテヴェキオの間にエクセルシオールとグランドの豪華ホテルが向かい合っていました。今はザ・ウェスティン・エクセルシオールとセントレジス・フィレンツェという名前に変わっているようですが、どちらもラグジュアリーホテルで通るたびに通りから垣間見える豪華さに圧倒されていました。
いつかどちらかに絶対に泊まるぞ!と密かな決意をしながら前を通り過ぎていました。今だったら平気で中に入ってお茶でも飲んで様子をうかがうところですが、とうとう入ることがなかった初心だった当時が懐かしく想い出されます。
フィレンツェの市街地はぎっしりと石造りの建物が続き、有名な花の聖母寺の大伽藍をはじめウフィツィ美術館などヨーロッパの歴史や芸術に圧倒されて興奮した頭の整理がつかないままこのアルノ川畔を歩いていると、一人乗りや二人乗りのボートがのんびりと行き交います。時々教会の鐘の音がアルノ川を渡って来る。
こんな光景になんだかホッとさせられました。