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マンダリン・オーチャード ホテル  シンガポール

 初めてシンガポールを訪れたのは、今から40年以上前の1974年でした。そのシンガポールを訪れる前に行ったことがあったのは韓国・台湾・香港・タイだけでした。

 日本も含めて東洋人が作る街の特徴は、かなりごちゃごちゃしている街と思い込んでいたので、シンガポールに着いて、『なんてきれいな国だろう』というのが最初の印象です。整然としたオーチャードロードを歩いていると、特にあの香港の混沌とした街に比べて、あまりにもの違いに、同じ中国人が作った街にいる感じが全くないことに驚いたのを覚えています。

 シンガポールがマレーシアから独立したのは確か東京オリンピックの翌年の1965年。イスラム教徒と対立していたリークアンユー率いる中国人達が合意の上にマレーシアから追放される形で独立したことを聞いて、悲劇の国という印象を持っていました。

 そんな経緯を聞いていたので、てっきり貧しい国と思っていたのに、ゴミ一つないオーチャード通りの清潔さ。そして、ガムを噛みながら歩いたり、煙草の吸殻を捨てたら罰金というのを聞き驚いた記憶があります。

 今では、最先進の国、ガーデンシティとして世界中から人もお金も呼び寄せる魅力を持った国ですね。「良い独裁者」と呼ばれたリー首相ですが、一国が一人のリーダーでこんなにも代わるものかと心底感心します。

 

 このマンダリン オーチャードホテルに泊まったのは、3回目のシンガポール訪問の時で、ファッション業界の社員旅行の添乗で78年でした。

 シンガポールのホテルはグレードが高く、何処に泊まっても間違いないといえる国でしたが、超高層の新しく建ったばかりのホテルで、ホテルに入ったとたん、高層のロビー吹き抜けの巨大な水墨画風の絵と、当時は珍しかったシースルーのエレベーターに度肝を抜かれました。

 

 部屋割りをしてグループの皆さんが各自の部屋に引き上げたのですが、一組のお客様の部屋がエレベーターのすぐ横で昇降の度に音がするということで、フロントにクレームを入れて部屋を取り換えてもらうように要求したのですが、どうにもならないぐらいの満室と言う事で私の部屋と交換しました。

  夜、エレベーターの音は私は殆ど気にならなかったのですが、真夜中に酔っぱらって帰ってくる人が多く、その人達の話し声が大きく何度も起こされました。「こんな近代的なホテルなのに、あんな話し声が筒抜けに聞こえるホテルって何なんだ!」起こされる度にぶつぶつ独り言を云った記憶があります。 変なことが忘れないんですね

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