2016.12 2冊同時出版・宇土寿和・著・幻冬舎より
* カシミアおやじのたわごと *
中小製造業 逆転のブランディング
近い将来、カシミヤといったら岩手県北上といわれることを目指すUTO。
北上から世界へ飛躍したい。
ふるとさと納税を機に、世界を目指すUTOの軌跡と野望と、消費者の購買意欲をかき立てる、製品ブランディディング。
第一章・・・高品質なのに低価格ージリ貧状態に追い込まれる 日本の中小企業
第二章・・・消費者は「モノ」ではなく「ブランド」に対して財布を開く
第三章・・・少ない生産量、限定された産地
・・・「弱点」を逆手にとることで独自のブランディングを 実現する
第四章・・・広告展開・メディア露出に頼らずヒット商品を生み出すEC時代のPR戦略とは
第五章・・・機能性、品質以外の付加価値を生み出すことこそ、製造業「逆転」の条件
頑張れ!大風呂敷旅行屋
ニット屋になって35年が経ちますが、その前は旅行屋でした。70年代、まだ海外旅行が夢の時代になんとしても外国に行きたくて最初に就職したのが旅行屋でした。当時、欧米への旅行費用は新入社員の年収以上という頃ですから、海外への観光旅行なんてほとんど無い時代です。海外に行く大義名分を立てて、大手旅行社にも出来ないような旅行を作ることで集客をしていました。
新参者の、ないないづくしの若者達が海外旅行の会社を立ち上げた経験はその後の人生の大きな糧になりました。
何時の時代も改革をするのは、『よそ者、若者、馬鹿者』と言いますが、そんなバカがいなくては新しい会社も産業も生まれません。新しい会社が20年生き残るのは常々千社に三社と言われます。我れながらその三社として良くぞ生き残ったと思います。といっても生き残っているだけだと思いますが・・。
旅行も起業も、しなくてもいい苦労をわざわざ自分からやるようなものかも知れません。嬉しいこともありますが殆どは苦労ばかりでした。でもその分、生きて来た充実感みたいなものもあります。
この小説は、私のように若気の至りで、無謀にも新規のビジネスに挑戦しようとする若者への応援歌のつもりで書いたものです。私の場合は特別かも知れませんが事業は小さい失敗の連続です。その失敗はスポーツで言えば練習だと思っています。練習しないと上手くならないのと同じで、失敗することこそ糧だと思っています。これは負け惜しみかも知れません。今も失敗の続きをやっている感があります。失敗ばかりの中にちょっとだけ成功がほほ笑む。その微笑みに遭遇したくてまた無謀に挑戦しているのでしょう。
この小説を書きながら、ナイジェリアから日本まで電話が通じるのに何時間もかかったと、今の時代に比べると70年代はあんなに不便だったんだと思い出しました。IT技術の進んだ今に比べ、若い人にすれば随分遅れた話かも知れませんが、たった40年前のことです。