カシミヤニットのカスタムオーダー UTO

墾汀賓館(ケンティンヒンカン) 墾汀・台湾

台湾を車で走りながら街を眺めていると看板がよく目につきます。それは我々に馴染みの漢字が多く、なんとなく意味が分かるので目に入ってくるのでしょう。
似て非なるものも結構あります。汽車は自動車のことで、停車場と書く駐車場に停まり、火車という物騒なのが汽車とか電車です。驚いたり感心したりの漢字クイズはなかなか楽しいものです。

台湾第2の都市、高尾(カオシュン)を過ぎてドンドン南下します。よく手入れされた田んぼが広がる道、自転車に鶏を満載の篭を載せて走っているおじさんとすれちがうと、なんだか一昔前の日本の田舎を走っている気分です。

ミカドアゲハ

台湾の最南端はガランピー岬です。沖合いのバシー海峡は航行する船にとっては神経を使う通行に難しい海域だそうですが、訪れた時は日本では真冬なのに、南国特有な暖かい昼下がりでのんびりした引き潮の時でした。
岬の突端は青い海に落ち込む断崖というイメージがありますがこのガランピーは極普通のごろごろした石の遠浅の浜辺という感じで、拍子抜けの感じがしました。

この付近は台湾の中では海浜リゾートとして親しまれて、日本でいえば湘南海岸といったところでしょう。岬の付根に広大な敷地を持つジャングルのような墾丁自然公園があり、その公園に接してこの墾丁賓館があります。墾丁賓館には蒋介石総統の別荘だったというホテルがあります。中国スタイルのカラフルな建物ではなく、ニューイングランドスタイルを取り入れたシンプルな作りで、台湾総統の別荘にしては簡素と言えるかも知れませんが、瀟洒な建物です。

南国は陽射しの強まる前の朝の散歩が一番気持ち良いですが、もちろんここでも例外ではありません。このホテルに滞在している間の一番の楽しみが、良く手入れされたランタナの垣根のオレンジ色の花に南国の蝶が次々と飛んで来て吸蜜するのを眺める事でした。

ツマベニ蝶

日本本土では最南端の鹿児島県の佐多岬でしか見られないツマベニチョウが吸蜜に来ます。こいつはモンシロチョウの仲間なのに二倍くらい大きく真っ白の羽先のオレンジが鮮やかで、超高速のスピードでやってきて超高速で去って行きます。
ミカドアゲハという日本では天然記念物の蝶もこんなに身近に見られるとは。それも一頭二頭(蝶は一頭二頭と数えます)ではないんです。十種類を超える蝶が次々と飛んできます。
やっぱりここは蝶の宝庫の台湾なんだ!昔、昆虫少年だった僕にとって、羨望の蝶を網も振らないで眺めていた。この蝶の楽園のようなシーンは今でも時々脳裏に現れます。

墾丁賓館の印象は蝶達の乱舞です。

墾丁賓館.jpg

date

2024
2023
2022
2021
2020
2019
2018
2017
2016
2015
2014
2013
2012
2002