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富士屋ホテル 箱根・神奈川

何かと慌ただしい大晦日。年が明けてしまうと案外する事がなく、だらだらとテレビを見て過ごしてしまいます。
2日の午前中は箱根駅伝です。その箱根駅伝のハイライトは5区、箱根の山登り。 塔の沢温泉、大平台を過ぎると、宮ノ下温泉です。ここで必ず紹介されるのが富士屋ホテルですね。

建物の外観は神社?お寺?御殿?とも形容し難い日本風。日本人としてはちょっと違和感のある造りですが、外国人にはオリエンタルムード満点なんでしょう。見慣れるとこれも日本風となんとなく納得してしまい、箱根の風景にマッチして嫌味な感じはしません。

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開業が(1879年)明治11年、日本でもっとも古いリゾートホテルの一つです。厳密には日光にある金谷ホテルが最初です。帝国ホテルの開業が12年後の明治23年ですからいかに歴史があるかお解かりだと思います。
明治40年には金谷ホテルのオーナー金谷真一の弟、正造がこの富士屋ホテルの山口家に婿養子に入ります。その正造が富士屋ホテルの大発展の基を築いた人なんです。 日本最初の日光金谷ホテルと箱根富士屋ホテルは親戚同士と言うエピソードまで持っているんです。

以来130年、途中に建替えはしても、まるで博物館のような古い建物を維持しながら営業するのは大変だと思います。
外観は和風ですが、内部の設備や機能は完全に外国人にあわせてあります。部屋は広いし、ドアノブは私の胸ぐらいの高さもあり、思わぬところで感心してしまいます。

経営者一族の山口さんにホテル学の講義を受けたことがあるだけに、富士屋ホテルが国際興業に買収されたときはショックでした。金谷ホテルも金谷家の手を離れていますが、こんなクラシックホテルを家族経営していくことは本当に大変だと思います。

ホテルを旅する 富士屋ホテル.jpg

富士屋ホテルの楽しみは食事です。
メインダイニングに入ると豪華な、私にはちょっとくどくけばけばしい(それでもヨーロッパのロココ調よりは地味)内装と天井の絵に迎えられます。
必ず注文するメニューが、コンソメスープと虹鱒のムニエル、(トラウトムニエル・アラ・フジヤ)です。
人様に言えるようなグルメではありませんが、これはお勧めです。このコンソメスープを頂いて、『これがコンソメなんだ!』と開眼しました。
虹鱒のムニエルは和風の隠し味と、ちょっとパリッとしたころものバランスが好きです。

遠い明治に思いをはせながら、古き良き時代を忍ことが出来る貴重なクラシックホテルです。

富士屋パンフ.jpg

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