浮世絵の太田記念美術館
若者の街・原宿に伝統の浮世絵が
JR原宿駅から明治神宮を背に坂を下ってゆくと明治通りの交差点ですが、交差点を挟んでラフォーレ原宿と東急プラザがありますが、両方ともいつも凄い人出に感心します。中には子供連れというより赤ちゃん連れの若いカップルも目に付きます。外国人も多いし、原宿は若者達にとって東京一の人気スポットのようです。
40年ぐらい前、原宿にはポルトガル領事館があって、当時旅行屋の頃は、ポルトガルやマカオに行くお客様のビザをもらいに来るぐらいしか馴染みがありませんでした。
今、セコムビルのある処は現在の竹下通りとは場違いにグレードの高い、パレフランスというビルがあり、ディオール、カルダン、ニナリッチ、ジバンシィ等々、かなりセレブなブランドが入っていました。その後、竹下通りには若者の店が集まり原宿はがぜん脚光を浴びてきました。
ラフォーレ原宿の2・5階を裏口から出るとすぐ前に大田記念美術館があります。こんなところに伝統的な浮世絵の美術館とは。ミスマッチな感じがしてピンときません。表の原宿の若者の喧騒とは打って変わった静けさ。
ひっそりという感じです。
以前は銀座にあったようですが此処へ来たいきさつは知りません。
この太田記念美術館は、東邦生命の会長だった大田清蔵がコレクションした12000点にも及ぶ作品を展示する美術館です。
太田清蔵という人はUTOがお取引していた博多大丸の初代社長。というより、博多に大丸を誘致して博多大丸を作った人だそうです。
小さな美術館ですが、中に入るとまず靴を脱ぎます。最初に来た時はこの予備知識がなくビックリしました。お風呂屋さんの靴箱のような気分です。ここでスリッパに履き替えます。
中は『薄暗い』といったほうがいいでしょう。浮世絵の色落ちを少なくするために照明を落としているそうです。
入ってすぐの左壁には主に肉筆画の掛け軸が展示されています。畳敷きでスリッパを脱いで近くから見ることが出来ます。床の間に入る感じです。
一階の展示場の中央には日本庭園風のスペースと長椅子がおかれています。二階にも展示ありますが、ザッツオール!小さな美術館です。
小さな美術館なので常設が少ないのが残念です。
地下にタオル屋さんが営業しています。日本情緒たっぷりでこの美術館にマッチしていると思います。日本手ぬぐいがメインです。
外からも入れるお店で楽しい。
毎月最後の3~4日間は入れ替えで必ずお休み。優雅ですね。
原宿という若者の街と浮世絵というミスマッチのような取り合わせが面白いです。