1999.7 20周年の旅人木
* カシミアおやじのたわごと *
連れ合いは海外添乗で留守がち。その旅行も変わった処ばかり。本人は充実して楽しそうに仕事をしているけど、その旅行がこだわったものになればなるほど家計は苦しくなるばかり。
そんな連れ合いに愛想を尽かしてか、『自分で何とかしなければ』と思ってか、『陶器のお店をやろうと思うけど』と言いだし時は以外と言うより、とうとう来たなという感じでした。
お店を経営する才能があるとは思いもしませんでしたが、決めると行動は超早い人です。以前、マンションを見に行ったその場で買ってしまった人ですから、やろうと言った途端に無謀にもド素人ではじめてしまいました。
茶陶や芸術家の器ではなく、あくまでも日常使いとしての器。でも作家が一つ一つ心を込めて作り上げた作品の食器のお店。
探し当てたのが今お店のある場所。中央線の国立で建ったばかりの吉村ビルでした。
旅行屋らしく、旅人が旅の疲れを癒すために木陰で一時の休息をとってホッとできる店でありたいということで、『手作りの器・旅人木』と、お店らしくない名前になりました。
国立という都心から離れた郊外にも関わらず、いろんな雑誌に取り上げてもらい、器の特集になると必ず紹介して頂き、名前ばかりはかなり有名になりました。
子育ての代わりか?作家の人達の面倒をみたり、世話を焼くのが趣味みたいで、旅人木から全国に紹介できた作家もかなりの数にのぼり、彼女の喜びになっているようです。
過ぎてしまえば呆気ない20年。でも彼女にとっては決して平たんな20年ではなかったと思います。
旅人木は、子供のいない我が家ではいつも話題の中心。お蔭で所帯を持ちながら2ヶ月も3ヶ月も海外に出掛けたり、好きな仕事を自由にさせてもらいました。
これまで旅人木を支えてくださったお客様、作家の皆さん、マスコミ関係の皆さん、多くの方々。彼女を支えて戴き、本当にありがとうございました。
記念日的なことは全くなく、無頓着な彼女は開店記念日などほとんど忘れているはずですから。お店にお花でも贈りましょう。
せっかくの20周年だからこれを機に、作家の人達と面白い企画が出来たら良いなと思っていますが、余計な口出しをすると怒られそうですから、黙って、乞うご期待です。
皆様、旅人木を今後ともどうぞよろしくお願いします。