カシミヤニットのカスタムオーダー UTO

2010.1 早春の女神・ギフチョウ

* カシミアおやじのたわごと *

今回の挿絵はギフチョウを書きました。

2006年秋の20号までは主に花を描いていたんですが花を描くのは難しくて蝶にしました。なんで蝶なのか聞かれるんですが、実は子供のころから蝶の採集が趣味の昆虫少年だったので蝶の羽の構造や模様などをよく知っていて蝶の絵を描くのは結構得意でした。要は書けるのを描いているだけなんです。(スイマセン!)

 ギフチョウは最初に発見されたのが岐阜県だったのでこの名前がついたのですが、黒地にゼブラ柄のような黄色の縞模様、後翅に小さな赤と青の紋が入るとっても綺麗な蝶です。

 蝶のいない冬が終わり、待ちわびた雪解けの春まだ浅き信州や美濃の里山辺りに最初に現れるのがこの蝶で、蝶の愛好者の間では『春の女神』と呼ばれて愛されています。僕の生まれ育った九州には生息しない蝶で長年憧れの蝶でした。

 ギフチョウの学名はルードルファ・ジャポニカと言います。ジャポニカと言うほどに日本にしか生息しない蝶なんです。主にカンアオイという草を食草としています。葵とは例の徳川家の家紋の葵のご紋のアオイです。まさにショウグンバタフライなんです。

 日本の国蝶はオオムラサキというタテハチョウ科の蝶で切手にもなっていますが、蝶の愛好家の間ではこのギフチョウのほうが断然人気があります。それはギフチョウが日本にしかいない蝶で、長い冬が終わって春一番に現れる、清楚で神秘的なイメージがあるからでしょう。僕もどっちと言われたらギフチョウの方に一票を投じます。

 40年も前、長年の念願が叶い岐阜県の谷汲という処で初めて逢って以来、春が来るとこの春の女神を思い浮かべます。昔は蝶を見つけると捕まえて標本にしないと気がすまないコレクターでしたが、このごろは絵を描いたり、見るだけで満足する枯れた愛好家になりました。

 故郷の長崎で銀行マンをやっている弟はいまだに現役で、何年か前、久しぶりに上京して来て会ったんですが、二人で行ったのが上野の科学博物館の昆虫セクション。半日堪能して喜んでいる兄弟にカミさんのあきれ顔・・・。

 4年前、このギフチョウに逢うだけのために信州の白馬に行ってきました。5月の連休の初日、良い天気だったので、立川から中央線のあづさに飛び乗って再会してきました。カタクリが咲く里山でときどき飛来するギフチョウにドキドキして、まさに昔の恋人に逢った気分でした。

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