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キャットストリートの新旧

小川の上を猫があるく

 

青山通りの表参道の交差点から原宿へ向かう表参道通りは東京でも有数のファッションストリートで、グッチ、エンポリオアルマーニ、ルイビトンンなどの世界有数のブランド店や表参道ヒルズがあり終日にぎわっていますが、この通りはゆるやかな下り坂です。

 

ウィンドーショッピングしながら下って行くと明治通りの交差点ですが、今度はここから登りになります。

ここら辺りは原宿と呼ばれるエリアで、ラフォーレ原宿、H&M、フォーエバー21などのファストファッションと呼ばれる大型店が並び、歩行者の年齢もガクンと下がり、若者ばかりです。そのまま直進すると原宿駅。その先が明治神宮です。明治通りの手前にある神宮前交差点横に小さな通りがあり、これが今若者に人気のあるキャットストリートです。

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昔ここは渋谷川。それ以前は隠田川という呼び名の小さな川が流れていました。現在は暗渠になっていてその上を歩道にしているのです。

江戸時代にここからの眺めを描いた、『隠田の水車』という葛飾北斎の富岳36景の版画もあります。富士山を望むのどかな田園に大きな水車がまわる光景です。小さな川なのに水車が回るほどの流れがあったんですね。

 原宿の水車

渋谷区のホームページに通りの由来として、このキャットストリートに関して『ネコの額みたいに狭い通り』、『ネコが多い』、『ブラックキャッツというブランドが生まれた土地』というのが記載されています。

古い商店街があった頃、野良猫に餌をやる人が多く、野良猫が多く住みついていたのでこの名が付いたという説もあるようですが、もうひとつ狭い通りをファッションショーのキャットウォークに例えて付いたという説もあるようです。お洒落な表現で、僕はこれが好きです。

 

表参道の広く整然とした通りのアダルトリッチに対して、こちらは狭く曲がりくねった通りにヤングカジュアルな種々雑多なお店が雑然と並ぶ楽しい通りです。

20年ぐらい前は、隠田商店街という、戦前の昭和の香りと庶民的な生活感のある通りで、出店料も安く若者が小資本でお店を出して挑戦する登竜門のような処でしたが、最近では大手資本のお店が幅を利かせてリッチな通りになりつつありちょっと残念です。

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キャットストリートと呼ばれる通りは香港にもイギリスにもあるそうです。原宿のほうはごく最近にそう呼ばれるようになったのでもちろんあちら様の方がはやいのでしょう。

香港にあるキャットストリートは魔羅街という処にあるそうです。

この、魔羅街は骨董通りで、露店などで売られる商品を猫のような恰好で品定めする格好からこんな名前が素晴らしい発想力だと感心します。

 

もう一つのキャットストリートは、イギリスのオックスフォードにあり、ここも古いキャットストリートのようですが、同じキャットでもこちらは猫のキャットとは関係ないようです。

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