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同潤会青山アパートから表参道ヒルズへ

2006年2月11日の日曜日に青山表参道に表参道ヒルズがオープンし、表参道にまたひとつ名所ができました。安藤忠雄の設計で地下3階、地上3階の建物は彼の特徴である金属とガラスで直線を多用した近代的なデザインです。
都心の建物のわりに低層に抑えたのは有名なケヤキ並木より高くならないようにと言う配慮だそうです。

2012年表参道ヒルズ階段 022.jpg

中に入ると表のけやき通りの緑の雰囲気とがらっと変わった異空間です。
さすが安藤忠雄とうなります。そんなに広いスペースではないのに高低を旨く使った設計です。導線の通りに歩いていると何時の間にか階が上がっているという演出に感心しました。

元々この場所には同潤会アパートと言う古~いアパートがあり、蔦の絡まる倒れそうな建物の狭い部屋をお店に改造し、個人で輸入した雑貨や自分で手作りしたようなアクセサリー、水彩画の展示会など、素人っぽいお店が多く縁日のお店を覘く楽しさがありました。

2012年表参道ヒルズ表通り.jpg

1923年(大正11)9月1日11時58分44秒に東京を中心に関東大震災発生し、死者約6万人、行方不明約1万1千人という未曾有の災害が起こりました。
当時、カミさんの父は小学生で、東京の中野で通りを歩いていて、地震の揺れで歩けなくなって道端に伏せたという話を聴いたことがあります。もうこの地震を実際に体験した人は殆ど亡くなってしまい惨事の悲惨さは記録だけになってしまいましたが、関西の大震災の思い起こしても自然の驚異には人間はダダただ恐れおののくだけの哀れな存在と自覚します。

この関東大震災の震災義捐金に1千万円を支出して財団法人同潤会が設立され、震災を教訓に耐震耐火性の高い鉄筋コンクリート造りの公共のアパートを造ったのが同潤会青山アパートだったんです。
青山アパートは3階建て10棟138室。80年前のこの時代は住宅に鉄筋コンクリートは画期的で、電気もようやく各家庭に普及し始めたばかりの大正末期から昭和初期に台所に水道、電気、ガス完備、便所も水洗の超モダン住宅で憧れの的で大変な人気で大正15年9月貸付開始たときの申し込み倍率7.6倍だったそうです。
これがその後の集合住宅、マンションの手本になり、昭和初期にアパートメントブームが起きたそうです。

開所当時の住所は豊多摩郡千駄ヶ谷大字穏田赤羽1、現在は渋谷区神宮前4-12。豊玉郡だったんですね。当時の中心は上野や浅草など今の下町。それに比べるとここは都心のはずれ、と言うより東京の外のような感覚だったんでしょうね。

2012年表参道ヒルズ外 019.jpg

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