カシミヤニットのカスタムオーダー UTO

神宮外苑の絵画館

神宮外苑の絵画館前のイチョウ並木は秋になると必ずテレビ等で紹介される東京の名所のひとつですね。青山通りから外苑を見て、一番奥の真ん中にある絵画館から一点透視図法の典型のような構図がとっても印象的です。

2012年秋 107外苑のイチョウ並木.jpg

絵画館前の広場は一般人も利用出来る野球場で、以前の会社で早朝草野球をやったことがありますが、ここはなかなか予約が取れないそうです。広場を取巻く周回道路は昼間はジョッギングの人がいっぱい。周りに神宮球場もあり、国立競技場もすぐ近くなので神宮外苑は東京でのスポーツのメッカのような感を呈しています。
でもここは、本来は絵画館が主役なんですね。その絵画館に入られたことはありますか?

前を通りかかってもなかなか入る機会がありませんでした。通るたびに、この絵画館にはどんな絵があるのか疑問に思っていました。
『絵画館といっても石造りの厳めしい建物だし、さぞかし凄い絵があるんだろうなぁ』でも気軽に入れる雰囲気じゃありません。『国立西洋美術館は上野だし、近代美術館は竹橋にあるし、両方に入ったことあるけど・・・。

2012年秋 00-7絵画館.jpg

正式には聖徳記念絵画館(せいとくきねん かいがかん)というらしいです。
入場料500円を納めて、頂いたパンフレットの、『聖徳記念絵画館は明治天皇・昭憲皇太后の御聖徳を長く後世に伝える為に造営された云々』という紹介文を読んでハタと気づきました。
『そもそも外苑とは明治神宮の外苑で、明治神宮とは明治天皇を御祭りする神社。その神社の入口だから表参道。明治天皇の為にこの街があるといっても過言ではない』と今頃気がついて、間抜けでドジな自分に、唖然!

正面の石段を登って館内に入ると見上げる天井に圧倒されます。
左右対称で、中には歴史の教科書などで見た幕末や明治維新に関わる重要なシーンの絵がずらりと並んでいます。右側が年代的に前半で日本画40点。左側が洋画で40点。

特に前半の日本画のシーンは、大好きな司馬遼太郎の『竜馬がゆく』、『翔ぶが如く』、『坂の上の雲』などに出てくる幕末から明治維新にかけての名場面が多く興味深く見学しました。
教科書にも載っていた、徳川幕府終焉の『大政奉還』。江戸の街が戦場にならずに済んだ、高輪の薩摩藩邸での『勝海舟と西郷隆盛の江戸城開城談判』。『岩倉大使欧米派遣』、『大日本帝国憲法発布式』、等が特に印象的でした。
その絵の奉納者がまた凄いんです。男爵・三井八郎衛門とか男爵・鴻池善衛門とか公爵・近衛文麿、徳川時代の有名大名の末裔等々、歴史の教科書の中に出てくるような名前ばかり。

2012年秋 103神宮外苑の秋.jpg

明治天皇にまつわる歴史の場面を。当時の巨匠が描く。『スケールが違うなぁ』と思いましたが、そう思うこと自体が不遜でしょう。なにせ明治天皇の御苑なんですから。

date

2024
2023
2022
2021
2020
2019
2018
2017
2016
2015
2014
2013
2012
2002