カシミヤニットのカスタムオーダー UTO

 2007.10 地球温暖化の証の蝶

* カシミアおやじのたわごと *

10月に入ってやっと秋らしくなってきましたね。

神代植物園では四季咲きのバラが華やかに咲き、野川公園はキバナコスモスが満開で沢山のツマグロヒョウモンが吸蜜にきていました。ツマグロヒョウモンはモンシロチョウなどよりずっと大きく、黄色地にヒョウのような黒い点々がありとっても目立ちます。飛び方はのんびりしていて、おたおたと飛んできては羽を半開きにして夢中で吸蜜しているのでよく観察できます。

 小学校の2年生のとき夏休みの宿題で昆虫採集をやったのが切っ掛けで蝶に魅せられて以来30代まで蝶を追っかける昆虫少年(野郎?)で、現在は長~い、お休み中です。

この蝶が姿を現すのが夏から秋にかけての季節。九州の田舎ではよく百日草の花に飛来していました。今から4~50年前のことを懐かしく思いながらも、『待てよ!ツマグロヒョウモンは南の蝶だったはず』と、家に帰って本棚から昔使っていた原色日本蝶類図鑑を引っ張り出します。昭和29年発行で昭和47年に増補改訂された古い図鑑です。

それによるとツマグロヒョウモの分布は南アジアから日本にかけて。日本の中でも九州から関西辺りまでとなっています。『やっぱり!』です。ヒョウモンチョウの類は一般に高原の草原地帯にいる奴が多く九州の島原辺りにいるのはこのツマグロヒョウモンぐらいでしたからよく覚えていました。

雌雄の羽根の模様が違っていて、メスは前羽の先が黒く、その内側の白い帯が鮮やかで昆虫界では珍しくオスよりメスのほうが派手な姿で、小学生の頃の標本箱の中でヒョウ柄のこのツマグロヒョウモンがとっても目立っていました。

 この蝶が東京で採集されたということは50年前なら大発見です。きっと、新聞に『東京でツマグロヒョウモン発見!』などと載るぐらいのニュースです。台風などの後に南方の蝶が迷蝶として発見されることが時々ありますが、こんなに沢山飛んでいるということはここに住み着いているとしか考えられません。

ツマグロヒョウモンの食草はスミレです。この頃は庭や街路にパンジーやビオラがよく植えられているのでそこで繁殖しているのでしょう。年間に4~5回発生するので南のほうから世代を経ながら北上するんでしょうが、以前は東京辺りでは全く見られない蝶でした。幼虫で越冬するんですがこの頃の温暖化の影響で徐々に定着しているのでしょう。

 このように自分の知識の範囲や経験で実感すると、『温暖化は深刻』と思います。可愛いツマグロヒョウモンを見ながら、身の回りで出来るエコを真剣に考えさせられます。

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